文字・言語

クリプキ ことばは意味をもてるか

クリプキ―ことばは意味をもてるか (シリーズ・哲学のエッセンス)作者: 飯田隆出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2004/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (34件) を見るシリーズ・哲学のエッセンスなので薄い本である…

かかれる悦び

4月36日に突入。原稿が進まない。あーでも今日中にはむりやり書き上げねば。…などと思いつつ、いろいろ雑用があったため円町へ。ついでに散髪もする。昔から散髪されるのが好きである。バリカンよりハサミでちょきちょきされるのが好きである。洗髪も、洗髪…

徳一の「如是我聞」訓読をめぐる二、三の問題

昨年度書いた「徳一の「如是我聞」訓読をめぐる二、三の問題」が活字になった(『東洋の思想と宗教』24、2007年3月、pp. 45-55)。抜刷がどさっと送られてきたので、花大の先生方にばらまいたら「もろ先生、こういうのが専門なの?」と口々に聞かれる。答え…

神経文字学

人工知能学会の『人工知能学会誌』Vol. 22, No. 2に、河村満「神経文字学総論」なる記事が載っていた。神経文字学とは、神経経済学、神経倫理学などと並ぶ(かもしれない)脳科学の一分野らしい。記事では、どこかで聞いたことがある「漢字と仮名とでは脳内…

人文情報学シンポジウム ―キャラクター・データベース・共同行為― 1日目

守岡さんと昔から構想(というか妄想)していた「ディープな人文情報学」についてのシンポジウムである(人文情報学シンポジウム ―キャラクター・データベース・共同行為―)。すばらしいメンバーを集め、会をオーガナイズして下さった守岡さんに感謝感謝であ…

ポルノと超絶技巧と顔

先日のプロレスの発表*1は、要領が悪くだらだらと話したために、聞いていた方には苦痛な面もあっただろうが、私としてはたいへん勉強になった(あと、プロレス好きな人が多いこともわかった (^_^;;)。まったく考慮外のこととして、他の分野との比較について…

未来の漢字コードとフリーな日本語フォントの食話会@関東

翌日の移動のためだけに下山するのは癪なので、新宿・あまるこるどで開催されるKanji Database Projectな方々との食話会に参加。ひとしきりの雑談の後、 小形さんの「UCSにおける甲骨文字符号化の意義と問題」みたいなプレゼン。これは勉強になった。 狩野さ…

漢字文献情報処理研究会第九回大会

漢字文献情報処理研究会第九回大会「Unicode 5.0とCJK Extension CD」という題で発表しました。 日時:2006年12月16日(土)*1 13:30〜18:00 会場:ピアザ淡海(滋賀県大津市)・305会議室 JAET会員入場無料(非会員は参加費500円)・参加自由 プログラム 13…

編集可能性とトポロジ

もろ式: 読書日記 - 一般文字(=character?)論のとりあえずの定義で述べた「編集可能性」という概念は、それほど筋は悪くなかったようである*1。今まで「表層」という言葉で言おうとしてきたことも、編集可能性でより明確にできるかもしれない。ところで…

一般文字(=character?)論のとりあえずの定義

守岡さんの「インターフェースとしての文字」論、「一般キャラクター論」に接続できるのかは、ちゃんと話を聞いたことが(そういえば)なかった気がするので自信がないが、最近私がぼんやりと考えている一般文字*1論のとりあえずの定義というか分析概念みた…

Unicode 5.0発売間近

Unicode Standard, Version 5.0, The作者: The Unicode Consortium出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional発売日: 2006/11/09メディア: ハードカバー クリック: 49回この商品を含むブログ (6件) を見る もうすぐ出るようです。→http://www.unicode.or…

国際ワークショップ「典籍交流(訓読)と漢字情報」 2日目

またまた興味深い発表が続く。Nguyen Thi OANHさんの「ベトナム漢文訓読について 『嶺南摭怪』を中心に」では、ベトナムにも漢文訓読に類する現象があるという興味深い報告がなされる。ベトナム語はほとんど漢語由来の語彙で、文法もほとんど同じなので漢文…

国際ワークショップ「典籍交流(訓読)と漢字情報」 1日目

会場に着くと、狩野さんが一番乗りをしていた (^_^;; 興味深い発表が満載だが、ここでは南豊鉉先生の「韓國の釋讀口訣に現れた不讀字について」についてのみメモ:南先生の発表では、高麗時代の韓国の釈読(訓読みたいなやつ)に、華厳宗系と法相宗系という…

徳一の「如是我聞」訓読をめぐる二、三の問題

ずいぶん前の話になるが、「文書を書くこと・読むこと」ほかというエントリーで書いたように、6月10日、早稲田大学東洋哲学会で発表してきた。タイトルは「徳一の「如是我聞」訓読をめぐる二、三の問題」である。 発表の論点は二つ。一つは、『守護国界章』…

プロレス研究書2本

フィクションなプロレスというエントリで「もしかしたら、プロレスで一回ぐらい発表させてもらえるかもしれない(ヤター)」と書いたが、何だか現実化しそうである。ということで、先行研究をぼちぼち漁っている。 まずは定番、ロラン・バルト『神話作用』所…

「文書を書くこと・読むこと」ほか

いつも色々なことを教えてもらっている北條さんから、師さんの研究に有益でしょうから、と、以下の論文のコピーをわざわざ送っていただいた。感謝感謝。渡辺滋「文書を書くこと・読むこと —日本古代における音声言語と書記言語の関係を中心に—」(『駿台史学…

メタ文献学としてのTEI

情報歴史学研究室: メタ文献学としてのTEI (1)というのを書きかけている。私のコメントも、近いうちにあちらに。皆様のコメントよろしく。

たくさんのテキストは不快である

昨年から、大谷大学で人文情報学特殊講義2という授業を持っている。シラバスの「受講上の留意点」として、レポート課題を出すと「ヒントを下さい」「参考になるサイトはないですか?」という質問をする学生さんがいますが、まだ誰も考えたことがない問題につ…

ちび2号の変換エンジン

うちのちび2号は、月齢の割によくしゃべる。しかしながら、まだまだ文法というか辞書というかが未発達で、ときどき面白い誤変換をする。 ある晴れた日の会話: 私「動物園と植物園、どっちに行く?」 2号「ど、どくぶつえん!」 私「…(毒物園?)」 テレビ…

文字符号の歴史(欧米と日本編)

文字符号の歴史(欧米と日本編) 待ちに待った安岡夫妻の本が出た。これまで断片的に(例えば、一昨年のシンポジウムでの発表とかで)聞いていた話が、このようにまとまった形で読めるとは、非常にうれしい。 内容はタイトルの通り、文字コードの歴史を、電…

ecritureをたどってみたら

昨日、私が代表をしている漢字文献情報処理研究会の大会があった。大会ではいろいろ勉強になったが、その報告は後ほど。気心の知れた仲間たちとの再会、酒席は大変楽しかった。 二次会の席で、狩野さんが持ってきていたYannis HaralambousさんのFontes et co…

CHISE Conference 2005 落ち穂拾い

狩野さんがコメントを下さったので、お返事。 「棒の手紙」については、http://homepage3.nifty.com/hirorin/bonotegami.htm が元ネタです。結構有名かと思って引き合いに出したのですが、却って問題を分かりにくくしてしまったかもしれません。素直に「『麻…

CHISE Conference 2005 (3)

(2)から続く。 ○上地宏一「KAGEシステムによる漢字フォント制作支援」 上地さんはKAGEをいじるためのインターフェース開発をはじめ、いろいろおもしろいことをされている。特に興味深かったのは、CHISE漢字連環図とcopylefont(copyleft + font)。特に後者…

CHISE Conference 2005 (2)

(1)の続き。 ○師 茂樹「文字オントロジに基づく文字オブジェクト列間の編集距離」 このネタは、編集距離を使って数理的に写本の比較研究をしたい、という研究テーマがまずあり、じゃあその上にCHISEの文字データベースを使いながらできないか、というちょっ…

CHISE Conference 2005 (1)

木曜日、いろいろあって忙しいのにCHISE Conference 2005で発表をしてきた(金曜日は市内某所で監禁 (^_^;; されていたため無理だった。今頃皆さんハックしてるんだろうなー)。ここんとこ結構きついスケジュールで準備もあまりできなかった上、参加者も少な…

2005年度東アジア人文情報学サマーセミナー

京大人文研のCOEの夏のイベント「2005年度東アジア人文情報学サマーセミナー」で「XMLプログラミング入門」みたいな講義と実習をしてきた(資料)。京大の院生を中心とした受講生の皆さんに、東洋学の様々な方法論とコンピュータにおけるデータ表現や処理と…

東洋学へのコンピュータ利用

昨日、京大の東洋学へのコンピュータ利用第16回研究セミナーがあった。以下、感想など。 ○「縁」モデルにもとづく拓本文字データベース 安岡孝一(京都大学) どうも安岡さんたちがやろうとしていることと、うちでやろうとしてることは、素材は違えど方法とし…

人文科学とコンピュータ研究会@印刷博物館

先の金曜日、情報処理学会の第64回人文科学とコンピュータ研究会発表会に日帰りで行ってきた。だいたい毎回質問する(もしくは、しようとする)んだが、今回は二つの発表で、難癖大魔神?の展開になった。 まず一つ目。「無形民俗文化財「古典万歳」を題材と…

テキスト構造のマイニング

HTML構造における頻出パターンのマイニングによるWWWからの情報抽出 どうもタグの構造のパターンを抽出できるらしい(未読)。だとしたら、大量のTEIでマークアップされたテキスト群に対して...なんてことができるかな。

一般言語学論叢

一般言語学に対して一般文字学と呼べるような、文字の一般理論についていろいろ考えたり調べたりしていると、これまで何度かそのような論文が書かれたことがあるようだが、今回見つけた一般言語学論叢第 4/5 号所収の福盛・池田「文字の分類案 −一般文字学の…