和訳:イスラエルとパレスチナの危機に関するアメリカ宗教学会(AAR)の声明

AAR Statement on the Crisis in Israel and Palestineの日本語訳:

イスラエルパレスチナの危機に関するアメリカ宗教学会(AAR)の声明

2023年10月24日 AAR理事会承認

アメリカ宗教学会の使命は、宗教の学術的研究における卓越性を促進し、宗教に対する一般の理解を高めることです。私たちは、宗教学の学術的研究において、また私たち自身の研究において、学問的卓越性、専門家としての責任、自由な探求、批判的吟味、多様性、包摂、敬意、透明性を促進することに全力を尽くします。

AAR理事会は、どのような声明も、心を痛め憤慨している人々への共感と連帯を適切に表現できないことを認識しています。私たちは、ハマスによるイスラエル市民の殺害とイスラエル人の人質拘束を非難します。私たちは、パレスチナ市民に対する殺人的な暴力と、イスラエル政府によるパレスチナ人の数十年にわたる占領と人権の否定を非難します。私たちは、国民と政府を同一視することを誤りであると認識しています。権力の批評を重視する学術団体として、AARはあらゆる形態の植民地主義、収奪、占領、覇権主義、暴力を否定します。

イスラエルパレスチナの危機は――ソマリアスーダンウクライナ、イエメン、ナイジェリア、ビルマ、その他多くの場所における戦争や虐殺的暴力と同様――想像を絶する損失の中にあっても、私たちは他者を非人間化してはならず、人権について強く主張し、すべての人々の尊厳を力強く守りながらも、悲嘆と追悼を可能にしなければならないことを、私たちに思い起こさせます。このようなときこそ、私たちは学術的な探求の重要性を擁護します。私たちは情報の自由を求め、あまりにも簡単に広まってしまう偽情報の危険性に警鐘を鳴らします。私たちは、すべての研究者に自由な調査と批判的検討をするよう奨励し、歴史的に無視され、搾取され、沈黙されてきた人々の声に耳を傾ける場を設けるよう努めます。特に、政府が引き起こしたテロや抑圧に対して声を上げたことで報復に直面している研究者や学生と連帯しています。この重大な危機に際して、AAR理事会は、何よりも包摂性と開放性、相互尊重を育むことを目的とする私たちの価値観を再確認することを、全会員に約束したいと思います。