日本近代仏教に関して書いてきたもの

ふりかえり第2弾。2024年9月13〜15日に天理大学で開催された日本宗教学会学術大会に参加し、日本近代仏教に関する発表をまとまって聞く機会があった。私も日本近代仏教に関していくつ論文を発表しているが、どんなことを書いてきたかふりかえってみた。

  • “Kira Kōyō's Inmyō Interpretations and Western Logic.” 印度學佛教學研究, 63(3): 1126-1132, 2015. https://doi.org/10.4259/ibk.63.3_1126
  • 「明治时期的日本因明研究概况」(李薇訳) 青藏高原论坛, 2017(4): 58-78, 2017.
    • 転載: 「日本近現代的因明研究(上): 明治時期的因明研究」 In: 『近現代中外因明研究学術史(下册)』, 上海書店出版社, 2023.
  • “Counterargument to the West: Buddhist Logicians’ Criticisms of Christianity and Republicanism in Meiji Japan.” International Journal of Buddhist Thought and Culture, 27(2): 181-204 2017. https://doi.org/10.16893/ijbtc.2017.12.27.2.181
  • 大西祝の因明理解」 In: 京都学研究と文化史の視座, 芙蓉書房出版, 329-339, 2019.
  • 「村上専精『活用講述因明学全書』の思想」 In: 村上専精と日本近代仏教, 法藏館, 57-83, 2021.

こんなもんか。すべて明治期の因明学に関するものばかりである。あと、論文ではないが、エッセー的なものを書いている。

  • 大西祝と因明」図書, 882: 38-42, 2022.

これまで発表した印仏学会

ありきたりではあるが、久しぶりに対面で開催された日本印度学仏教学会の学術大会に参加して、研究仲間に対面で会えることのありがたさを実感している。学会運営や大会運営に尽力されている方々に感謝する次第である。そんなことを思っていたら、そういえばこの学会では何回発表させてもらっただろう、という思いが湧いてきたので、数えてみた。

開催場所 発表 パネル
49 1998 鶴見大学 法相宗の「一乗方便」説再考 諸乗義林を中心に
50 1999 龍谷大学 ②撲揚智周伝についての二、三の問題
51 2000 東洋大学 新羅元暁の三時教判批判
52 2001 東京大学 元興寺智光の法相宗批判と元暁
53 2002 東国大学校 最澄所引の「義林」に見られる法相教学批判 ―元暁・義寂との関連で―
54 2003 佛教大学 ⑥麁食和上必当作仏 ―『守護国界章』における円機未熟の読者について
55 2004 駒澤大学 興聖寺本『続高僧伝』所収の玄奘伝の特徴
56 2005 四天王寺国際仏教大学
57 2006 大正大学
58 2007 四国大学 新羅における玄奘唯識比量の解釈 ―憬興・太賢・道証を中心に―
59 2008 愛知学院大学
60 2009 大谷大学
61 2010 立正大学 ⑨徳一の三時教判に基づく法華経解釈
62 2011 龍谷大学
63 2012 鶴見大学 ❶震災と仏教
64 2013 島根県民会館 大西祝の因明理解
65 2014 武蔵野大学 ⑪雲英晃耀の因明学 ❷新たな視点からのスティラマティ研究
66 2015 高野山大学 ⑫聖語蔵所収『法華決釈記』巻四について
67 2016 東京大学 唯識比量に対する新羅からの批判 文軌『因明入正理論疏』を中心に
68 2017 花園大学 ⑭八世紀における新訳唯識派の活動 東京文化財研究所『唐禅智寺故大徳法師崇俊塔銘序』を中心に
69 2018 東洋大学 ⑮「理門論問答抄」について
70 2019 佛教大学 ❸越境する教義問答:「唐決」による相互交流とその周辺
71 2020 オンライン(創価大学 九州国立博物館藏写本・文軌『因明入正理論疏』巻一について
72 2021 オンライン(大谷大学
73 2022 オンライン(東京外国語大学
74 2023 オンライン(龍谷大学 ⑰伝弘法大師草書写本断簡中の未詳唯識文献について
75 2024 駒澤大学 ⑱識窟説をめぐる成実論家の議論:『東大寺六宗未決義』を中心に ❹新出史料の発見よりみたる達磨宗の諸相

『AIブディズム』目次

2021年に韓国で出版された、海印寺の보일スニム著『AI부디즘[AIブディズム]』について、日本語ではほとんど情報がない状態なので、目次をざっと訳してみる。誤訳があったらご指摘いただきたい。

book.mk.co.kr

和訳:イスラエルとパレスチナの危機に関するアメリカ宗教学会(AAR)の声明

AAR Statement on the Crisis in Israel and Palestineの日本語訳:

イスラエルパレスチナの危機に関するアメリカ宗教学会(AAR)の声明

2023年10月24日 AAR理事会承認

アメリカ宗教学会の使命は、宗教の学術的研究における卓越性を促進し、宗教に対する一般の理解を高めることです。私たちは、宗教学の学術的研究において、また私たち自身の研究において、学問的卓越性、専門家としての責任、自由な探求、批判的吟味、多様性、包摂、敬意、透明性を促進することに全力を尽くします。

AAR理事会は、どのような声明も、心を痛め憤慨している人々への共感と連帯を適切に表現できないことを認識しています。私たちは、ハマスによるイスラエル市民の殺害とイスラエル人の人質拘束を非難します。私たちは、パレスチナ市民に対する殺人的な暴力と、イスラエル政府によるパレスチナ人の数十年にわたる占領と人権の否定を非難します。私たちは、国民と政府を同一視することを誤りであると認識しています。権力の批評を重視する学術団体として、AARはあらゆる形態の植民地主義、収奪、占領、覇権主義、暴力を否定します。

イスラエルパレスチナの危機は――ソマリアスーダンウクライナ、イエメン、ナイジェリア、ビルマ、その他多くの場所における戦争や虐殺的暴力と同様――想像を絶する損失の中にあっても、私たちは他者を非人間化してはならず、人権について強く主張し、すべての人々の尊厳を力強く守りながらも、悲嘆と追悼を可能にしなければならないことを、私たちに思い起こさせます。このようなときこそ、私たちは学術的な探求の重要性を擁護します。私たちは情報の自由を求め、あまりにも簡単に広まってしまう偽情報の危険性に警鐘を鳴らします。私たちは、すべての研究者に自由な調査と批判的検討をするよう奨励し、歴史的に無視され、搾取され、沈黙されてきた人々の声に耳を傾ける場を設けるよう努めます。特に、政府が引き起こしたテロや抑圧に対して声を上げたことで報復に直面している研究者や学生と連帯しています。この重大な危機に際して、AAR理事会は、何よりも包摂性と開放性、相互尊重を育むことを目的とする私たちの価値観を再確認することを、全会員に約束したいと思います。

「菩薩地」の現代語訳

『瑜伽師地論』菩薩地には、現代語訳がかなりの割合で存在するので、簡単にまとめておく。間違いがあったらご指摘ください。