哲学・思想

徳一の「如是我聞」訓読をめぐる二、三の問題

ずいぶん前の話になるが、「文書を書くこと・読むこと」ほかというエントリーで書いたように、6月10日、早稲田大学東洋哲学会で発表してきた。タイトルは「徳一の「如是我聞」訓読をめぐる二、三の問題」である。 発表の論点は二つ。一つは、『守護国界章』…

Tibetan Buddhist Altars

毎年誕生日プレゼントをくれるiwai君より、「仏道修行のために」と今年もこんな素敵なものを頂く。感謝。

「文書を書くこと・読むこと」ほか

いつも色々なことを教えてもらっている北條さんから、師さんの研究に有益でしょうから、と、以下の論文のコピーをわざわざ送っていただいた。感謝感謝。渡辺滋「文書を書くこと・読むこと —日本古代における音声言語と書記言語の関係を中心に—」(『駿台史学…

メタ文献学としてのTEI

情報歴史学研究室: メタ文献学としてのTEI (1)というのを書きかけている。私のコメントも、近いうちにあちらに。皆様のコメントよろしく。

だからこそ、Googleは神なのだ

本を全部スキャンして検索可能にしちゃえ!というGoogle Book Searchなどは、我々大学教員、研究者の間でも非常に画期的かつ(概ね)歓迎されるべきプロジェクトとして認識されていると思うのだが(それ以前に、まったく無関心な層があることは、とりあえず…

牛祭りの起源

我らが東方教主の日記つぶやきコーナー/リローデッド35の5月7日のエントリは、太秦LOVERとしては見逃せないものである。 んで、いまでも京都三大奇祭として受け継がれてるのが、牛祭りで、ここに登場するのが摩多羅神です。 この摩多羅神が、全く由来のワ…

たくさんのテキストは不快である

昨年から、大谷大学で人文情報学特殊講義2という授業を持っている。シラバスの「受講上の留意点」として、レポート課題を出すと「ヒントを下さい」「参考になるサイトはないですか?」という質問をする学生さんがいますが、まだ誰も考えたことがない問題につ…

新書3冊

ここ数日、移動が多かったので新書を何冊か読むことができた。 ベストセラーの『下流社会 新たな階層集団の出現』を遅ればせながら読んだが、要するにマーケティングの本なのね。鋭い現状分析を含むし、大学関係者は必読だと思うが、いかんせんデータの羅列…

松田ゼミの合宿に便乗

3月最後の2日間は、史学科の松田先生のゼミ旅行にくっついて城崎温泉に行ってきた。くっついて行くはずなのだが、松田先生が急遽いろいろとお忙しくなってしまったため、前半は私が引率することに (^_^;; 城崎は前日から雪が降り続け、春だということを忘れ…

アニメーションにおける他者表象

吉田香織氏(ブリティッシュ・コロンビア大学アジア研究科)「アニメーションにおける他者表象-オリエンタリズムの観点から観たディズニーと宮崎駿の世界-」というおもしろそうな発表。詳細は、Nagaの〈どゐ〉 - 京都民俗学第195回談話会@ウィングス京都…

求道遍歴

堀沢祖門『求道遍歴 十二年籠山、そしてその後』(法蔵館、1984) もう新刊では売ってないのね。花大図書館にもないみたいだなぁ。 最澄さんが定めた十二年籠山行を完遂した後、インドでヨーガの修行をしたり、インド中を題目を唱えて回ったりした(ヒッピー…

日本仏教@三都の会 3月東京例会

以下のような案内が流れてきた。「日本浄土教開展史」とか題しているけど、近代仏教(学)を見直すという大事な仕事ですごく聞きにいきたい。大学院生がこのような問題に取り組むのはすごく意味のあることだと思う。是非論文化して欲しい。 日本仏教@三都の…

オカルトな年末年始

この年末年始は、いろいろとストレスがたまっていたこともあり、マンガに逃避することが多かった。で、読んでたものを並べてみると、オカルトというか神秘思想系というか、とにかくそれ系のものが多かった。 まずはこれ: 妖怪ハンター 地の巻 妖怪ハンター …

五姓各別説と観音の夢

以前ここに書いた通り、佛教史学会の1月例会で、五姓各別説と観音の夢 ―『日本霊異記』下巻第三十八縁の読解の試み―と題する発表をしてきた。最近忙しすぎて発表を自粛してきたので、仏教系ではすごく久しぶり(2005年度最初 (^_^;;)の発表である。 詳細は…

江川さんへのお返事

『会津学』創刊号というエントリーに対して、江川さんという方からコメントをいただいたので、お返事: 会津で育ったのですか? 猪苗代町で育ちました。猪苗代町は、例えば浜通り、中通り、会津というような天気予報的な区分けでは確かに「会津」ですけど、…

ecritureをたどってみたら

昨日、私が代表をしている漢字文献情報処理研究会の大会があった。大会ではいろいろ勉強になったが、その報告は後ほど。気心の知れた仲間たちとの再会、酒席は大変楽しかった。 二次会の席で、狩野さんが持ってきていたYannis HaralambousさんのFontes et co…

景戒の夢解釈

今日は(も)日帰りで東京出張。大事な会議なのに遅刻してしまう...orz 最近、遅刻とか失敗とかが多い。鬱。 それはともかく、来年の1月14日に仏教史学会の例会で『日本霊異記』がらみの発表をするので、帰りの新幹線で先行論文をしこしこ読む。国文学科の丸…

悪役レスラーは笑う

森達也『悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷』(岩波新書) 久しぶりに読み応えのあるプロレス本を読んだ気がする。グレート東郷の出自を追いかけるという内容だが、ありがちな暴露本ではない(結局わからずじまいで終わるし、わからないと…

観音正寺の磨崖仏

最近、磨崖仏がマイブームである。新聞に、観音正寺の磨崖仏がこの11月だけ公開されると載っていたので、時間がないのに無理矢理見に行くことにする。このお寺は、近江六角氏の居城があったところである。 時間がなかったので、新快速にゆられて能登川駅に着…

「表象文化論学会」(仮称)設立準備大会(初日だけ)

家族会議の結果、お許しをいただいたので (^_^;; 出かけてきました、表象文化論学会(仮称)設立準備大会に。19日だけだけど。会場入りする前に別の仕事もしたけど (^_^;; 大入り満員でしたが、会場では土居さんが唯一の知り合いでした。 ●開会の言葉:渡邊…

表象文化論学会

表象文化論学会(仮称)設立準備大会だそうな。 北條さんとこ経由で知る(感謝)。すげー行きてー、初日だけでいいから。こーゆー時、地方?は不便だなぁ。と、カレンダーを見ると空いていたりする。うーむ。家族会議か (^_^;;

第68回人文科学とコンピュータ研究会

10月28日に高岡市万葉歴史館で開催された第68回人文科学とコンピュータ研究会発表会に行ってきたので、遅ればせながらレポート: 27日に準備のため幹事は前日入り。万葉歴史館の方であらかた準備していただいていたので、さっくり終わる(感謝!)。その後、…

笠置詣で

大学院時代からの友人で、今は木浦大学で歴史の先生をしている崔鈆植さんが調査のため来日したので、昔から誘っていた笠置周辺のお寺や石仏を車で案内することにした。 京都市から出るのは相変わらず大変だったが、京奈和道に乗ってからはスムーズ。まずは浄…

CHISE Conference 2005 落ち穂拾い

狩野さんがコメントを下さったので、お返事。 「棒の手紙」については、http://homepage3.nifty.com/hirorin/bonotegami.htm が元ネタです。結構有名かと思って引き合いに出したのですが、却って問題を分かりにくくしてしまったかもしれません。素直に「『麻…

CHISE Conference 2005 (3)

(2)から続く。 ○上地宏一「KAGEシステムによる漢字フォント制作支援」 上地さんはKAGEをいじるためのインターフェース開発をはじめ、いろいろおもしろいことをされている。特に興味深かったのは、CHISE漢字連環図とcopylefont(copyleft + font)。特に後者…

CHISE Conference 2005 (2)

(1)の続き。 ○師 茂樹「文字オントロジに基づく文字オブジェクト列間の編集距離」 このネタは、編集距離を使って数理的に写本の比較研究をしたい、という研究テーマがまずあり、じゃあその上にCHISEの文字データベースを使いながらできないか、というちょっ…

CHISE Conference 2005 (1)

木曜日、いろいろあって忙しいのにCHISE Conference 2005で発表をしてきた(金曜日は市内某所で監禁 (^_^;; されていたため無理だった。今頃皆さんハックしてるんだろうなー)。ここんとこ結構きついスケジュールで準備もあまりできなかった上、参加者も少な…

刺激は大切

昨日は、仏教大学の齊藤隆信先生のところで、Nグラムモデルによる仏典の分析に関してこれまで私がいろいろ研究してきたことについてお話しし、また齊藤先生が実際にやってみたいとおっしゃるのでいろいろセットアップなどをさせていただくべく、研究室にお邪…

方法論懇話会@小諸

9月17〜18日と、長野県は小諸で開催された方法論懇話会の例会に参加してきた。 17日、午前3時起床。この日の最初のセッションで、「仏教学におけるデリダの受容と問題点」なんていう報告をすることになっていたのだが、全然準備ができていなかったので、眠い…

東京日帰り

今日(というか昨日)は東京日帰り出張であった。 午前中、ちょっと大学によった後、京都駅から新幹線に乗る。気合いを入れて先日買ってもうた井筒俊彦著作集の第9巻を読み始めたが、同じようなことを何度も繰り返すのでだんだん眠くなる (^_^;; が、寝ない…