monodoiさんの顔文字ならぬ文字顔! - はかとも(無縁彷徨)が、記憶の底にあった問題意識を思い出させてくれた。侍戦隊シンケンジャーは、各メンバーの属性が漢字一字(モヂカラ=文字+力?)で表されており、かぶり物の顔の部分に漢字が書いてある(五行説と一字違いなのが気になる…新メンバーに“金”とか“地”とか来るかな? 裏シンケンジャー設定で「邪」とか「死」とかもおもしろい)。筆で漢字を書くことで変身したりメカを呼び出したりして、ちびたちの教育上非常によろしい (^_^;; のであるが、(絵)文字研究のネタにも使えそうなのでこれは毎週観る必要がありそうだ(ロボ=折神の動きがしょぼいのが気になるが (^_^;;)。
数年前、“Surface or Essence: Beyond the Coded Character Set Model.”という論文で、文字絵の問題について少し考えたことがある。このときはアスキーアートの「リル子」と白隠の文字絵「人丸図」を使った(イスラーム圏のカリグラフィーも文字で絵を描くよなぁ*1)。とくに前者は、絵を描くために単なる図形として使用された文字が、その後文字として読まれるようになった(文字性の回復?)例として注目される(このAAには最初名前がなかったが、その後髪の毛に使われている「リ」「ル」が名前になった)。
〃ノ^ヾ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ リ´−´ル < 絵文字研究なんて馬鹿じゃないの (l┴┴lつ \_______________ | ゚ ゚ | /___| し´J
文字として書かれる/描かれる線や点の固まりと、それが文字として読まれるときの意味や発音との関係は、表層/深層というような構造ではなく、時と場合によってある要素が表層になったり別の要素が隠れたり消失したりするのではないか…ということを言いたくて上の論文でリル子をとりあげたのだが、これは絵文字の問題、特に文字の“背景”には音声言語が必要かどうか、という問題を考える上でのヒントになるような気がする。
ちょっとずれるが、ついでに江戸時代の文字遊びについて研究にもポインタをはっておく:
- 小野恭靖「文字遊びの今昔 ―鈍字とギャル文字を隔てるもの―」(『Mobile Society Review 未来心理』Vol. 013、2008年9月)
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