NHKに喧嘩を売る
…と言っても、別に受信料不払いとかそういうのではない(私はNHKの番組が大好きなので、自動引き落としの年間一括払いで払っている、品行方正で模範的な視聴者である)。現在、本学歴史博物館で開催している2006年度春期特別展 箔の美 野口康作品展 —画材としての箔 光琳筆紅白梅図金箔・金泥問題に迫る—のことである。
この特別展は、一昨年に放映された光琳 解き明かされた国宝の謎という番組、およびそのネタ元である東京文化財研究所(尾形光琳筆「紅白梅図屏風」の新知見 —調査速報とシンポジウム—というイベントをやっている)への果敢なる反論である。東京文化財研究所およびこの番組では、金箔で有名な尾形光琳の国宝「紅白梅図屏風」が、「高精細デジタル画像、蛍光X線による顔料などの分析、X線透過撮影といった科学的手法」による調査の結果、実は金箔を使ってなかったんじゃないか?という結論に達し、それを大々的にアピール、話題となった。しかしこの特別展では、京都西陣で4代続く箔屋(っていう業種があるんことは、今回初めて知った (^_^;;)の当主である野口康氏が、「金箔でもやればできるんですけど」(と言ったかどうかはわからないが (^_^;;)と職人魂に満ち満ちた反論の狼煙を、この花園大学であげたのである! こういうとがった企画は、ユニヴァーシティー・ミュージアムにふさわしいんじゃないだろうか。
もっとも、この展覧会、実は野口さんのオリジナル作品の方が私にはぐっと来た。写真だとわかりづらいが、金とか銀のやや抑え気味の光沢が、エロティックな主題とうまく調和しているというか何というか。普段の「歴史博物館」的な雰囲気から、今回は(そこだけ)ぐっと美術館的な雰囲気になっているのであった。