刺激は大切

昨日は、仏教大学齊藤隆信先生のところで、Nグラムモデルによる仏典の分析に関してこれまで私がいろいろ研究してきたことについてお話しし、また齊藤先生が実際にやってみたいとおっしゃるのでいろいろセットアップなどをさせていただくべく、研究室にお邪魔した。 齊藤先生は中国仏典に対する深い知識の上に、漢語音韻学の方法論を駆使して、仏典中に埋もれたリズムやメロディーを探し出す、という研究をされている。てな感じで一口に言うとなんだか楽しそうな研究だが、音韻学というのは私のような怠け癖が抜けない(そのおかげでプログラミングができるようになったわけだが (^_^;;)凡人にはできない、言わば「人を選ぶ」学問である。音韻学は私にとって神々の領域なので、齊藤先生は前から憧れの対象だったりした(論文を読んで「かっこいー」とか思ってたり。数学の天才、みたいな感じかな)。それが、夏の印仏学会で声をかけてくださったので、喜び勇んでうかがったという次第である。 実は、こっそり(でもないけど)、私は音韻の世界に足を踏み入れつつある(Nグラムと文字データベースによる漢字仏教文献の分析とか)。可能であれば、仏典なりその他の漢籍から音韻的なパターンを(わかる範囲でいいから)自動的に抽出できるようなシステムを構築したいなーと考えていたりする。プロトタイプは、まあ、できあがってるんだけど、実際の作業をするためにはデータベース野充実が必要で、それはなかなか奥が深い (^_^;; 世界である。 齊藤先生は非常に気さくな方で、楽しくお話しさせていただくことができた。経験上、文献学の能力が高い人ほどNグラムモデルの長所・短所、可能性と限界を即座に見抜いて下さるので、齊藤先生の場合も話が早かった。私が主張する「仮説形成型の研究方法」というのもあっさりと理解していただけた。拙作morogram極悪さんがWindows用に色々してくださったやつをセットアップして、簡単な使い方をご教示する。先生がお持ちのネタはどれもおもしろそうなものばかりで、時間を作って共同研究をさせていただきたいものである。 ところでその後、話は横道にそれて大学教育、特に宗門大学における建学の理念の教育、自校教育などの話題、改組に絡む入試の話題、事務仕事が大変だよねー、夏休みないよねーの話題、研究者としての人生設計など、ディープな話題に突入する。これはこれで興味深いことなのだが、ここでは書けない (^_^;; もっと色々お話ししたかったのだが、家庭の事情 (^_^;; で夕食のお誘いをお断りし、帰宅する。また遊びに行きますのでー。