バガボンド33

読んだ。

バガボンド(33) (モーニングKC)

バガボンド(33) (モーニングKC)

この巻は武蔵の内観がテーマになっている。小次郎という人間を理解するために耳栓をして身体内を観察する。あるいは剣を持っては剣と対話するかのように黙々と振り続ける。すでに100人以上斬り殺している超絶的な剣士であるにもかかわらず、これまで身体との対話がほとんど描かれていなかったのは、むしろ驚きかもしれない。あるいはこのマンガは、武道的身体観みたいなものを武蔵の一生という時間軸にあてはめて描いているだけで、実際はこの時間的順序にこだわって読むべきではないのかもしれない。いずれにせよこの巻では、瞑想の身体実践(内観的実践)とかなり共通する武道的身体観が表現されており、たいへん興味深い(その割に、沢庵和尚が、俗世的幸福を強調する役回りになっているのが、逆説的であることよ (^_^;;)。