叡尊における鬮と教団規律

船田淳一さんにご教示いただきました。

  • 追塩千尋「叡尊における鬮と教団規律」(『中世の南都仏教』所収、吉川弘文館、1995年)

中世の南都仏教

中世の南都仏教

叡尊教団で「くじ)」あるいは「さぐり)」とよばれる占いが好相行の一環として行われていたことを明らかにしたもの。あわせて夢占い(夢想、夢告)との関連も論じられている。

この論文で、懺悔・占い・禅定・受戒 - もろ式: 読書日記で紹介したインド〜平安初期の事例が、中世においても継続していたことがはっきりとした。そして、叡尊のこのような実践の背景には、彼が研究していた法相宗の受戒儀礼(五姓各別説と観音の夢 『日本霊異記』下巻第三十八縁の読解の試みでも叡尊との関係を少し書いた)が大きく関係していることは間違いないだろう。こいつはおもしろくなってきた。早く論文化しよう。

しかしこの本、古本でも手に入らないみたいだなぁ(涙)。