芳澤勝弘先生にご恵贈いただきました。ありがとうございます。
- 作者: 芳澤勝弘
- 出版社/メーカー: ウェッジ
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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白隠の禅画のマンガちっくな表現に、真俗不二とメタ的表現(芳澤さんは「軸中軸」とか「(絵の二次元に対する)三次元」という言い方をしているけど「メタ」の方が的確のような気がする)を読み解く講演録と、松井孝典・合原一幸両氏との鼎談を収録。特に前半は芳澤さんの真骨頂みたいな感じで、おもしろかったです。
後半の鼎談は噛み合ってないようか気がする。特に、真如や空を井筒俊彦先生的な認識以前、言語以前(分節=意味の可能態として意味=存在を生成する根源としての阿頼耶識、みたいなやつ)として説明しようとする芳澤さんに対して、不確定性原理的に理解しようとしたりする松井氏が、最後に「お蔭さまで、かなり納得しました」と言っているのは(活字になっていないやりとりがあったのかもしれないが)ちょっとがっかりではある。