お父さんのバックドロップ、ほか。

師走の某日、忙しいというのに映画を観に行った。行きのバスではBernard Faureさんの玉のような女 中世のイデオロギーと「願望的思考」(彌永さん訳)を読みながら。 つい最近できた、待望の単館系映画館京都シネマでやっている(た)お父さんのバックドロップである。原作の中島らもと言えば、対談集であるクマと闘ったヒトを読めば明らかなようにプロレスの裏表を知っている人であり、原作を読んだことはないがチラシなどからもプロレス心をくすぐるにおいが立ち込めていたので、観に行かずにはいられなかったのである。 果たして映画はえらくよかった。ラストにさしかかるにつれ、涙もろい私は両隣に誰もいないことを確認して (^_^;) めそめそ泣いていた。あの子役、かなりよい。また、決め技がバックドロップなのもすばらしい。「お父さんのジャーマンスープレックス」とかだったら、ちょっと見る気が失せたかも。パイルドライバーについで死人を出しているかもしれないくせに、地味なつなぎ技的に思われているバックドロップこそが、両義的な「大切な技」でなければならないのだ。細かいところでは、小学校の黒板に書かれている日直が「川田・冬木」だったり、その他細かいプロレスネタがちりばめられていてグッド。DVD買いケッテー!(タムラ様風) その後、感動でぼーっとしつつも飯を食いに。映画館のある古今烏丸キムカツがあったので、食べてみる。まあ、うまいことはうまいんだけど、肉っぽいパンチがない。一番印象に残ったのが炊き立てのご飯だったのはいかがなものか。 帰りしな、前に眼鏡研究社で買ったメガネがゆがんでいるのを治してもらいにいく。ちび2号にメガネごと顔面を踏まれること数回に及び、すっかりゆがんでしまって左目の疲れがひどかったのである。案の定、左右の目とレンズとの距離がかなりちがっていたとのことである。まあ、また踏まれるんだろうけどさ (^_^;) 帰りのバスでは水口画伯の『カオスだもんね』を読みつつ、たらたら帰った。