2010年度 第15回 元曉學研究院 學術大會 元曉學의諸問題II

11月11〜13日、韓国・慶州市で開催された表題のイベントに参加してきたので軽くご報告。

11日、京都から関空、釜山(金海国際空港)経由で慶州へ。2003年に慶州に初めて調査旅行に行ったときはソウルから南下したのでかなり遠い気がしていたが、釜山経由だと国内旅行と同じぐらいの近い感覚。とは言え、やはり半日以上かかるので、その日は移動だけで終了。

12日、朝、元暁学研究院長の李平来先生、ダラムサラから来られたVen. Geshe Lhakdor(Director, Library of Tibetan Works and Archives / ダライラマ法王の通訳を16年間されてきた方とのこと)らと朝食、その後石窟庵、仏国寺、芬皇寺などを参拝した。石窟庵では、普通は入れない石窟内部に入れていただくことができ、間近で仏像を見ることができたのは僥倖であった。仏国寺は紅葉が盛りで観光客や小学生?たちで賑わっていた。

昼、韓定食をいただいた後、会場となる仏国寺文化会館でメインイベントである2010年度 第15回 元曉學研究院 學術大會「元曉學의諸問題II」が開催となる。プログラムは以下のとおり:

  • 원효의 진속볼이(眞俗不二)사상과 재가불교의 위상〔元暁の真俗不二思想と在家仏教の地位〕」
  • Geshe Lhakdor. “Relevance of Buddhism in the 21st Century.”
  • 師茂樹「元暁の因明について ―唯識比量の解釈を中心として―」
  • 임정빈「“원효의 깨달음(解脱)길”을 중심으로 한 문화콘텐츠의 개발과 할용반안〔“元暁の悟り(解脱)道”を中心にした文化コンテンツの開発と活用方案〕」

各発表にコメンテーターがつく韓国式。私の発表にはダルマキールティの専門家である권서용先生がコメントしてくださったが、内容の詳細な説明を求めるものであり、大きな失敗はなかったようだ。ただ、論理学的な内容の口頭発表については、もう少し工夫がいるのではないかと思った。ちなみに発表内容は、玄奘の唯識比量に対するEli Franco氏の解釈(唯識比量には瑕疵はないとする立場)*1と、玄奘の過失を指摘した元暁の比量を比較することで、Franco氏の考える唯識比量のルールとは異なったルールを元暁が持っていたのではないか、というようなことを指摘してみた。

他の発表は韓国語だったこともありほとんどわからなかったが (^_^;; わかった範囲で興味深かったのが次の二点。一つは이희재氏の発表での、かつて琉球国円覚寺というお寺があって、元暁のものを含む朝鮮関係の仏典、資料が蔵されていたという指摘。たしかにありそうな話ではある。典拠は『朝鮮王朝実録』とのこと(その後Twitterで乙川文英さんに円覚寺跡という記事を教えていただいた。感謝!)。もう一点は、임정빈氏の発表で、元暁ゆかりのお寺を使って、お遍路さんみたいな巡礼コースを作り(発表でも先例としてお遍路さんが紹介されていた)、ネットとかで発信したりしてもりあげよう!というもの。あとで他の人に聞いたら、韓国には巡礼的なものがないそうである。

会場で、国立慶州博物館館長の李榮勲氏より、開催中の「元暁大師特別展」の図録をいただく。また、Twitter仲間の@zinzeromin氏が、ソウルからわざわざ 韓国中央博物館の高麗仏画の特別展の図録を送って下さった。感謝申し上げます。

その後の懇親会でも韓定食を御馳走になる。いやー贅沢。

13日は早朝にホテルを出て、往路とは逆のルートで京都に帰った。京都も私がいない間に紅葉が進んだように見えた。

*1:Eli Franco. “Xuanzang’s proof of idealism (vijñaptimātratā).” Hōrin: Vergleichende Studien zur japanischen Kultur, Vol. 11 (2005).