キャラクターが、見ている。

思想地図』続き。

  • 黒瀬陽平「キャラクターが、見ている。―アニメ表現論序説」

冒頭の「アニメ表現論の不在」については、まさに「アニメ表現論」と思われる千野帽子さんの「『御先祖様万々歳!』の余白に」*1をたまたま某所で読ませていただいてたところだったので、「不在」と言い切られるとちょっと違和感が (^_^;; (今年から花大に来て頂いている今井隆介先生にも表現論的な論文はあったような。私の人脈が偏ってるのか? (^_^;;)。しかも、千野さんが言及しているメタフィクションとか遠近法とかと重なる話が出てくるので、ますます千野論文への言及がないのが気になった。

あとは、見たことがないアニメ作品ばっかりだったので、内容についてはよくわからないところも。勉強します (^_^;; ただ、不勉強を棚に上げて言えば、メタフィクションもデータベース消費みたいなあり方も、ポストモダン特有の現象ではないと思うので(このあいだのシンポジウムで守岡さんも強調されてましたが)、最近のアニメだけを分析対象にしなくてもいいと思うのだが。

追記(2008-04-28 20:35):今井先生に聞いたら、やっぱアニメ特有の表現について論じたものは少ないそうです。映画の表現論を援用したものはたくさんあるそうですが。

*1:[asin:4791701186:detail]