昨日、元興寺文化財研究所で開催された南都文化研究組織第5回シンポジウムでは、いろいろな発表があってたいへん勉強になったが、中でも角南聡一郎さん(会場を貸していただきありがとうございました)の「腰掛石考 ―伝承とモノの間―」からは、知的な刺激をたくさんいただくことができた。
この発表、菅原道真がそこに腰掛けて「このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」という有名な和歌を詠んだという手向山八幡宮の腰掛石から話を説き起こすわけだが、その伝承を分析する際に、そもそも日本人の身体動作の歴史において腰掛けるという動作はどういう位置付けなのか?という問題提起を行うことで、単なる伝承=言語表現の歴史にとどまらない、その背後?にある身体感覚の歴史、身体論へと議論を開こうとする。これはかっちょいい。
角南さんがあげていた参考文献の中の一冊:
- 作者: 矢田部英正
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 単行本
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関係ないが、懇親会で角南さんにプロレス本を書けと強く勧められ、ちょっとその気になる (^_^;;