竹村牧男先生だけに期待したのだが、ちょっとがっかり。
- 作者: 竹村牧男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/04/17
- メディア: 新書
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本書はその名のとおり仏教を哲学として学んでみてもおもしろいよ、というスタンスの入門書である。「仏教は哲学である」というのは、最近ではBernard FaureさんのUnmasking Buddhism.なんかで批判的に検討されたりもしているが、私も、たとえば仏教を『もし仏』のように「楽しむ」ための一つの道筋として、「哲学としての仏教」にもまだいろいろ面白い部分が残っているのではないかと思う。
- 作者: Bernard Faure
- 出版社/メーカー: Wiley-Blackwell
- 発売日: 2009/03/09
- メディア: ペーパーバック
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西田幾多郎―「絶対無」とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 永井均
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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また、その仏教の教理の部分も、ちょっと問題があるように思われる。たとえば大乗仏教在家起源説はさすがにもう言わない(言うとしても、冒頭の聖徳太子のように、エクスキューズを入れる)方がいいと思うし、上座部のことを「小乗仏教」という蔑称で呼んだりするのは、スマナサーラ長老の本が売れている今日、マーケティング的にも(もちろん倫理的にも)間違っているのではないかと思われる*1。
*1:私は別にスマナサーラ長老に肩入れしているわけではないが(瞑想やアビダンマに関する著作は、他の仏教書と同様、興味深く読ませていただいているが)、スマナサーラ長老の本が一般に売れていたり、このブログでとりあげたこともある『みんなの寺 絵日記 「夫婦でお寺をはじめたよ」の巻』などのように伝統教団のお坊さんがミャンマーに修行に行っている本が出版されているということに無関心な仏教研究者が多い(ように思われる)ことに強い危機感を持っている。