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はじめよう!少林寺拳法

拳士としては、売上に貢献せねばなるまい。

はじめよう!少林寺拳法

はじめよう!少林寺拳法

ざっと目を通したが、一級までの技法の紹介が中心の本書は、高校生とか大学生のようには練習できない私のような社会人級拳士には特にありがたい本だと思う。DVDもあるけど、かなり値が張るし、思いついたときにカバンから取り出して確認する、みたいなこともできない。Amazonの書評などでは、技のモデルをしているのが大学生だとダメだろ、手本になってないだろ、みたいなことも書いてあるけど(私の目からもちょっと変だな、というところがある)、どんなに上手な人がやっても文句を言う人はいるんじゃないかと思うし、これはこれでいいんじゃないだろうか、とも思ったりする。

一方、少林寺拳法の外側からこの本を見た場合には、不満もないことはない。この本は、小中学生あたりの拳士を増やすために、子どもとその親をターゲットにしているっぽい書き方になっている。自分を高めていくために拳法の修行をするんですよ、世代をこえた仲間たちとともに高めあっていくんですよ、社会で活躍している人も少林寺拳法の拳士ですよ、てな感じである。それはそれでまったく問題ないと思うのだが、伝統武道の身体論や思想に注目が集まり、マット界ではMMA全盛のこの時代に、こういう(あえて言えば)“修身”的な面を強調するだけで対世間的なアピールになるだろうか、とも思う。

もっとも、ローキックの捌き方とか、対柔術の戦い方とかの本を出して欲しいというわけではない(いや、そんな本があったらすげー読んでみたいけど (^_^;; そちらに少林寺拳法の軸足があるわけではないので、なくてもかまわない)。パンクラス近藤有己選手の強さのバックボーンに少林寺拳法があるのではないか、という視点から編まれた『少林寺拳法のススメ』の方が、個人的には好みである。

この本だって、前半は技法の紹介に始まり、後半には開祖語録へとつながっている。だから、現代のトレンドへの目配りがあるかないか、程度の問題なのである。私は、旗揚げの頃からパンクラスをよく観に行っていたので、この本は少林寺拳法入門前に手にとり、けっこうおもしろく読んだ記憶がある。

ともあれ、少林寺拳法の本が一般書店に並んでいるのは、拳士としてうれしい。この本はこの本でよいので、今後はいろんなテイストの本が出たらよいなーと思う。ところで下の本って少林寺拳法本としてアピールしてないみたいだけど(本部の通販ページに載ってない)、どうしてだろう?

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