「文字」の起源

山田崇仁さんよりご恵贈いただきました。ありがとうございます。

  • 山田崇仁「「文字」なる表記の誕生」(『中国古代史論叢』5集、2008年3月)
  • 山田崇仁「「書同文」考」(『史林』91巻4号、2008年7月)
  • 山田崇仁「書契考」(『中国古代史論叢』6集、2009年3月)

出そうで出ない『文字論』にも「「文字」と「文」と「字」の関係」という論文が載るようですが、上の論文はそれの詳細版?だそうです。

我々が当たり前に使っている「文字」という表記が、実はけっこう複雑な成立過程を有していることを明らかにしたもの。論の性質上、「文字」という表記を使えない(論文中では「書記記号」と言っている)のでややこしい。しかも中国が言語的に十分に統一されていないけどそろそろ統一されようかという時期の話なので、「字」は秦系の表現だとか、そのへんもややこしい。でもこういうごちゃごちゃと様々な要素が絡み合いながら成立していった過程のなかにこそ、「文字」の本質みたいなものが垣間見えてくるのではないかと思う(初音ミクというキャラクターの成立期を観察すればキャラクターの本質が見えてくるように)。