プロレス狂の詩

19日の発表(id:moroshigeki:20070219:1171089503)の準備として読む。まさに泥縄状態。

プロレス狂の詩 夕焼地獄流離篇 (Kamipro Books)

プロレス狂の詩 夕焼地獄流離篇 (Kamipro Books)

発表の中でDDTの高木三四郎ポイズン澤田JULIE組 vs 後藤達俊長井満也(2006年6月4日、後楽園ホール*1を取り上げるつもりなので、この本の後藤達俊のインタビューを読んでおきたかったのだが、DDTでの試合についてのコメントはなかった(というか、2006年3月のインタビューなので言及があるはずがない)。

しかしこのインタビュー・対談集、「プロレス」と銘打っておきながらプロレスラーの割合が少ない。インタビューされている13人のうちプロレスラーは、

であり、あとは、

である。まあ、だいたいはプロレス・格闘技に造詣が深い人だったりするわけだが。

特に示唆的なのは、サスケと韮澤潤一郎氏の対談である。韮澤潤一郎氏と言えばたま出版*2社長と言えばそれで事足りるわけだが、彼が「研究」し続けるUFOやら陰謀史観がらみの話題は、堀江ガンツ氏が言うように「「ファン」が知識と想像力を駆使しながら、答えの出ない答えを探し続けるジャンル」であり、そこで追求される「真実」は、格闘技・武道が追い求め、プロレスが表象しようとしている、永遠に遠ざかる「最強」「無敵」とよく似ている*3

*1:id:moroshigeki:20061125:1164505995参照。

*2:早稲田から四谷に引っ越したのか。

*3:同じような問題は、入不二基義「「ほんとうの本物」の問題としてのプロレス」の主題であるとともに、『ウロボロスの偽書』でも「プロレスにおける不確定性原理」「プロレスにおける事象と観測」などという言い方で(深く追求されることはないが)示唆されている。