零式(([asin:4150308772:detail]))

なかなかおもしろかった。

要するに山口貴由マンガの小説版、と言えば、そんなに印象にずれはないと思う。

3人の無者*1が、旋風のように消える――否――
目の前にいた。
低く構え、一呼吸。
鞘に入ったままの倭刀(カタナ)――そのまま繰り出す鬼神の猛攻、修羅の斬撃。
正面の無者が中段から《鋼舞》の中心を――刺突!
霹靂の如し――刺突! 刺突! 刺突! 刺突! 刺突! 刺突! 刺突! 刺突!

ちなみにこの技は「象歩鉄手の構えからの――盂蘭盆突き也!」だそうです (^_^;; 愛国者とか武士道とか、いちいち『覚悟のススメ』テイスト。主人公は自虐的な少女(ちょいツンデレ)で、それなりに存在感を出しているが、まわりの山口貴由的キャラクター達(もちろん益荒男)も主人公に負けないくらい魅力的だ。とは言え、舞台設定的にはもうちょっと複雑で、単なるテンション高い系ではない。まあそのあたりを書くとネタばれになるので書かないが。

内燃機関ネタがたくさん出てくるので、そっちが好きな人にもおすすめ。格闘シーンはちょっと弱いかな。

しかし、うーん、山口貴由って“文学でもできることをマンガでやってる”ことになるのかなぁ。

*1:むしゃ=「武者」の当て字。