ウェブは菩薩である

ウェブは菩薩である

ウェブは菩薩である

「菩薩」に惹かれてついつい買ってしまう。でも最後のところにちょこっと出てくるだけ。

一人ひとりが本当に自分が好きなことを、自分のペースで行って、それが誰かの役に立つ。そうしたことが世界中で少しずつ積み重なって、みんなの日常が効率的になっていく。人々の活動が効率的になるということは、同じエネルギーでより多くの価値が生み出されるということ。そしてその果実はみんなが必要なときに必要なだけ利用することができます。無理な努力も、結果も平等に割り振る必要はありません。すべての人が、自身の意志や感性に素直にしたがって活動することができるので。将来、万人に利益がもたらされます。まるで慈悲深い菩薩のようではありませんか。(p.212)

自利行=利他行なので菩薩ってことかな?でもそれだったら、ユーザが菩薩なんであって、ウェブが菩薩ではないよなぁ。無駄にウェブを神格化しても、害の方が大きいような気がするのだが。

著者の修士論文が元になっているそうだが、新規性に乏しく、(上の引用を読めばわかるだろうが)根拠なく楽観的なので、学部生などには勧めてもいいような気がするが、個人的にはあまりおもしろくない。

また、細かいところでは、「計算」に関する議論に違和感が。鯖味噌定食とトンカツ定食のカロリーの比較は「計算」だが、テレビのチャンネル群の中から見たかったチャンネルを選ぶのは、数値で表せないので「計算」ではない(p. 49以降)っていうのは、おかしくない?