Victoria: Veni creator spiritus

今度の土曜日は、京都学講座*1でしゃべるために静岡まで出張する。今回は「キリシタンの見た京都」というお題でえっちらおっちら準備しているのだが、講座の中で音楽をかけてみようかとふと思いつく。

1605年に長崎で出版された典礼書『サカラメンタ提要』Manuale ad sacramenta.にはグレゴリオ聖歌がいっぱい収録されている。それをそのまんま本、CD、DVDにした皆川達夫先生らのお仕事もあるが*2、それじゃあ芸がない気が(なんとなく)する。上智大学が公開しているLaures Rare Book DatabaseManuale ad sacramenta.が収録されているので(ありがたや)、ぺらぺらめくっていたら398ページに“Veni creator spiritus”を見つけた。このグレゴリオ聖歌を元にしたビクトリアのモテットか何かがあったよなーと思ってCDラックをほじってみたら、案の定あった。Sixteenのこれ:

Call of the Beloved

Call of the Beloved

この曲、グレゴリオ聖歌と合唱を交互にやっているのでちょうどよい。しかもビクトリアはイエズス会士なので、キリシタンの話にはからめやすい。もちろん、戦国〜近世の日本で演奏されたことはないだろうけど、テレビなんかで宗教音楽を流すときは時代を無視してモーツァルトのレクイエムとかが流れたりするので、キリシタンの時代はこんな曲を聴いてたんじゃーと啓蒙する(はったりをかます、とも言う)のに使おう (^_^;;

しかし、学生時代にはまって集めたCDを、仕事で使う日が来ようとは。

*1:[http://www4.shizuokaonline.com/gakuen/03/301/301_4650.html:title=京都学 江戸時代の京都@SBS学苑]、[http://sarnath.co.jp/poster/08kyoutogaku1.html:title=京都学講座 〜第五期 江戸時代の京都〜 @サールナートホール]

*2:[asin:4818405310:detail][asin:B000CNECA4:detail]