以前最近読んでいる(いた)本というエントリで書いた『ループ』を、ようやく読み終わった。
- 作者: 鈴木光司
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2000/09/08
- メディア: 文庫
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設定としては仮想世界モノ。SFとしては詰めが甘いかな〜という気もするが*1『リング』の物語がこのような形で終りを迎えるというのはなかなか感慨深い。
穴からこちらを伺っているような文庫本の表紙の絵は、顕微鏡でウイルスを観察しているのか、あるいは最後のシーンをもとにしたものだと思うが、井戸の底から空を見上げながら死んだ(といっていいのかわからないが)貞子の悲劇?の始まりと、なんとなく繋がっているような気もしないでもない。
*1:一番違和感があるのが、シミュレーションではなく、現実世界とまったく同じ物理法則などを再現しているらしい〈ループ界〉の方が、現実世界よりも早く時間が進行するという点。地球の誕生から1990年代ぐらいまでをわずか20年ぐらいで再現できたのであれば、1000万年先の未来を数年で先取りすることができることになってしまう。この点、『[asin:4150112894:title]』『[asin:4150112908:title]』はよく考えられていたように思う。