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史上最強の69

真樹日佐夫先生“黙認”とあらば、読まねばなるまい。

史上最強の69

史上最強の69


内容は、40人にも及ぶ各界(と言っても空手、芸能界などに偏っているが)の著名人による真樹日佐夫先生についての「証言」をまとめたもの。人によって文章のうまい下手があるので、一冊の本としてはどうかと思うようなところもあるが、偉大なる真樹日佐夫先生の片鱗がうかがえるだけでも価値がある。69歳になっても朝から酒を飲み、週5日の稽古を欠かさず、しかも毎回1000本単位で突き・蹴りの基礎練習をこなしているのだから、私なんぞは10万年たってもかないません。極真各会派のトップが勢揃いというのもすごい。

真樹日佐夫先生については、個人的にもちょっとした思い出がある。とあるコネで東スポのプロレス大賞の授賞式に出席したことがある。会場にはメジャーからインディーまで有名レスラーが溢れ(みんなでかい)、たくさんのバニーガールが接待をし、会場の外には出待ちのファンがたむろっている、まさにプロレス界随一のイベントの一つである。そんななか、一瞬、会場全体の視線が入り口に集結した。私もつられて振り返ると、そこに真樹先生がいた。羽織袴を着て来場した真樹先生は、日本髪を結った着物美人の女性をはべらせて、のっしのっしと会場のど真ん中を通って行く。二人あわせて物凄いオーラである。後で聞いた話では、その女性は、真樹先生が会場に入ったときに「おい、お前、ちょっとオレについてこい」みたいな感じではべらせた、とのことである。知り合いのレスラーの奥さんか、あるいは有名な銀座のママさんなのか。そのまま真樹先生は、会場の最前列のど真ん中に陣取った。

しばらくするとプロレス大賞の授賞式が始まった。司会は、当時テレビ朝日でプロレス実況を担当していた辻義就アナウンサーである。これだけでも、このイベントが一新聞社のイベントではなく、プロレス界全体の重大イベントであることがわかる。粛々と会が進む中、突然携帯電話が鳴り響く!うわー、厳粛な雰囲気がぶち壊しだよーと会場の皆がしらけたのはほんの一瞬、その携帯電話が真樹先生のものであったということがわかった瞬間に会場は凍りついた。司会もストップし、真樹先生に全員の注目が集まる。真樹先生は、おもむろに携帯電話をとりだし、会場全員が注視する中、何事もなかったように「ああ、今授賞式の会場だから…」というようなことを相手に伝えて電話を切った。すげー!どんだけ大物なんだ。再び空気が緩み、司会は再び会を進めた。

その後、いっしょに行った友人が「真樹先生とツーショットで写真を撮りたい」というので、真樹先生にお願いして写真を撮らせてもらった。私はあまり写真を撮られるのが好きではないので、一緒に撮ってもらわなかったのだが、現在では激しく後悔している。