「つくりごと」の世界に生きて―プロレス記者という人生

読んだ。Amazonのレビューなどでは評価が芳しくないようだが、個人的には割とおもしろかった。

「つくりごと」の世界に生きて-プロレス記者という人生

「つくりごと」の世界に生きて-プロレス記者という人生

本書は、長年プロレス記者として見てきた「「つくりごと」の世界」を淡々と綴ったもの。Amazonのレビューなどでは、この淡白さ、言葉を変えれば「暴露」のインパクトが足りないのを不満に思う人が多いようだが、個人的には最近の「暴露」本の語り口にいささか食傷気味でもあったので、かえって楽しめた、という感じ。この淡白さが、暴露本が一通り普及した後の荒れ果てたプロレス言論界を象徴するものなのか、あるいは筆者の元々の気質なのかは分からないが(たぶん後者だろう)、「「つくりごと」の世界」を語るのにほとんど気負いが見られないというのは、プロレスという奇妙なフィクションのジャンルにとっては、ある意味末期的なのかも知れない。そうじゃないことを心から望む。

すいません、このブログのコメントを誤って(自分のも含めて)消してしまいました。