出たのはちょっと前ですが、Amazonに登録されたみたいなのでご紹介。少しだけ執筆させていただきました。
- 作者: 丸山顕徳
- 出版社/メーカー: 三弥井書店
- 発売日: 2010/04
- メディア: 単行本
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目次は以下の通り。
- はじめに
- ならまち界隈を歩く
- 奈良の東を歩く
- 奈良の西を歩く
- 奈良の郊外を歩く
- 奈良から歩く伝説と信仰の旅
- 後醍醐天皇の伝説を歩く
- 大和の富士講を歩く
- 付録
- 引用文献の一覧(項目別に作成)
- 語句索引
- 編者・執筆者紹介
- あとがき
遷都1300年の奈良ですが、このあいだのNHKのドラマみたいな史実ベースではなく、伝説ベースの観光案内なのが類書とは違うところ。たとえば私が担当した「三月堂と蜂の宮」では、三月堂の執金剛神像の頭部のかざりが一部欠けているのは、天慶の乱(平将門の乱)の際、この像の前で朝敵降伏の法を行っていたところ、像の右錺が大蜂となり、また像からたくさんの蜂が出て東へ飛んでいき、平将門をやっつけたという伝説を枕にして、それに関連する話などをいくつか紹介したり観光案内をしたりしている。
「奈良に江戸時代はない」みたいなことを言う人がいるくらい、奈良は奈良時代とそれ以外の時代への関心の差が激しいが、伝説をベースにすることで、古代から近現代までを接続することができるのがおもしろい。奈良に限ったことではないが、現在奈良に残っている遺跡や神社仏閣は、古い時代に根拠があるものだとしても、近世や近代に今の姿になったものが多い。1300年ブームということで、目の前にある近世のものがないがしろに(スルー)されがちな昨今、こういう本も面白いのではないかと思ったりもするのである。
ということで買ってください (^_^;;