寄稿しました。
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編集部からの依頼は、仏教説話的な作品が多い藤田和日郎氏の作品について仏教学の専門家の立場から論ぜよ、みたいな感じ。目次案では『うしおととら』のところに名前が入っていたので、要するに『うしおととら』の仏教的な要素について書けばいいのね、そういえば主人公は光覇明宗とかいうお寺の息子だっけ…とかいう感じで安請け合いしたものの、『うしおととら』を再読してみればぜんぜん仏教じゃないじゃん、と気づいたのでした (^_^;;
結局のところ、前半は吉野裕子氏の『狐』に依拠しつつこの作品の陰陽五行説的要素の抽出、中盤が彌永信美さんの『大黒天変相』に頼りながら仏教神話的要素の抽出、後半では鹿島徹氏+北條勝貴さんの「人物伝的歴史理解」に乗っかりながら、うしおが過去の人々の生を生き直すことで忘却に抵抗する、みたいな観点を提示する、という人の褌で相撲をとりまくりの内容です。
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