フラクション

読んだ。以下の作品は、エログロ苦手な人は注意。

フラクション

フラクション

メタミステリかつメタマンガ。つまりミステリについて言及するミステリであり、かつマンガについて言及するマンガである。

エログロマンガで知られている駕籠真太郎にはメタなマンガが多い。私自身、この作家を知ったのは、mixiのSFコミュでメタな作品を紹介しあうスレであった。このマンガでも、マンガという表現形式が持つ特徴を映画と比較したりしながら説明しているのであるが、それがそのままストーリーに組み込まれていくというおもしろい構造になっている。しかも、作中でも言及されているように、ミステリ小説などでよく行われている叙述トリックを、小説のように想像力で補う部分が少ないマンガで試みようとしているのである。ちょっと不遜な言い方だが、読んでいて感心した。

この作品で使われているメタ的な説明は、すでに下の作品集などでも実験的(一発ネタ的)に行われているが、この『フラクション』では単なる実験ではなくストーリーに不可欠な要素へと昇華している。

かすとろ式 (Ohta comics)

かすとろ式 (Ohta comics)

ああ、これがエログロじゃなかったら、もっと万民に勧められる(たとえば授業なんかで使ったりすることができる)のだが。個人的にはエログロは嫌いじゃないんですけど (^_^;;