M. ヴィユ・ボワ/まんがはどこから来たか

オフィスヘリアで販売していたものを購入。

この2冊を買った理由は、夏目先生が中国明清期の人相学:夏目房之介の「で?」:ITmedia オルタナティブ・ブログで述べている、

テプフェールのマンガとマンガ論(手塚の顔の記号論みたいなもの)の前提に欧州における18〜19C.観相学の流行があり、視覚文化全体の変化があり、そもそも近代文学でことこまかに人相だのを描写するのも(わかりやすいのは、だいぶ後だけどホームズ物の人物推理)、そこに淵源があるらしいという話

が、現在私が研究している占い+文字=キャラクター+修行論の問題と大きく関わってくるからである。この2冊は、直接はこの議論には関係ないが、まあ参考までに買ってみたという次第。

以下、気になった点が二つ。

ムッシュー・ヴィユ・ボワの「愛する人」がかわいくない件 (^_^;;

『まんがはどこから来たか』でアジアの用例が少ない件。徒に戦線を拡大する必要もないとは思うのだが、たとえばインドにある仏伝を表現したレリーフ*1などもこういうものに含まれてもよいのかもしれない。ちなみにキリスト教でも仏教でも、聖者の伝説を記憶し、瞑想的に再生(想起)するというのは、修行の一環としてよく行われていたようである。聖者の生涯の一部を表現した壁画や彫刻群などを時系列で並べる、というのは、世界的な広がりを持っていたと思われる。

*1:たとえば[http://www.eonet.ne.jp/~kotonara/budanosyougai.htm]にあげられているようなやつ。