いろいろご恵贈いただきました (1) - もろ式: 読書日記から1ヶ月も経ってしまい、ダメ人間街道まっしぐらですが、皆様いかがお過ごしでしょうか(涙)。
いつもいろいろ教えてもらっている舩田さんからは次の2本を頂きました。
- 舩田淳一「中世叡山の戒律復興 ―律僧恵尋の思想と国家観をめぐって―」(『佛教大学総合研究所紀要』第16号、2009年3月)
- 舩田淳一「中世叡山律僧の神祇信仰について ―本覚思想との関係から―」(『日本思想史学』第41号、2009年9月)
- 作者: 日本思想史学会
- 出版社/メーカー: 日本思想史学会
- 発売日: 2009/10
- メディア: 単行本
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この2本の内、特に「中世叡山律僧の神祇信仰について」が刺激的です。中世天台における戒律思想の背景に、「クルイ(狂い)」とよばれる憑依をおこなう巫者集団による神降ろしがあったという論文。シャーマンたちが比叡山の神様を降ろしちゃっていろいろ神の言葉をぺらぺらしゃべっちゃうので、天台宗の学僧がそれをふまえた理論の構築をしなければならなかった、というのは、仏教思想史におけるコンテクストの問題を考える上でも興味深い事例ではないかと思います*1。
「花園大学国際禅学研究所・修行と身体班/宗教思想・文化研究会共催シンポジウム: 身体からはじま(め)る思想(史)」のご案内 - もろ式: 読書日記に来ていただいた村田真一さんから以下の論文の抜刷を頂きました。
- 村田真一「『八幡宇佐宮御託宣集』における「霊神」の位相」(『日本宗教文化史研究』第13巻第2号、2009年11月)
瀬間正之先生からは年賀状といっしょに以下の抜刷をいただきました。
- 瀬間正之「百済弥勒寺「金製舎利奉安記」」(『青木周平先生追悼 古代文芸論叢』おうふう、2009年11月)
最近、百済の資料がいろいろ見つかって*2、百済仏教研究がけっこう熱いことになっているようです。この「金製舎利奉安記」にも聖徳太子『維摩経義疏』と共通する表現があるようで(ってのは論文には書いてませんが、抜刷に挟んであった補足に石井公成氏の指摘として書いてありました)、日本古代仏教研究者には見逃せないですな。