東京出張の新幹線車内で読んだ。
- 作者: 落合淳思
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/17
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
- 作者: 落合淳思
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/07
- メディア: 新書
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
- 作者: 落合淳思
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/10/16
- メディア: 新書
- クリック: 34回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
いずれも読みやすいが、けっこう内容的にだぶっている。甲骨文字と殷代史のことが両方書いてある甲骨文字に歴史をよむ (ちくま新書)が最大公約数かな?
ちょっと驚いたが、現在、殷代史の日本人研究者は落合氏ぐらいしかいないらしい(「殷代史の日本人研究者は落合氏ぐらいしかいない」わけではないことなど、コメントで指摘していただきました。)。事業仕分けで窮地に立たされている?若手研究者(と言っても、私よりちょっと年下なぐらい。ああ、おいらもがんばらないと…)を応援するためにも、皆さん三冊買いましょう。
全体として、一次史料としての甲骨文字を重視して殷代史を読み解く、という姿勢が貫かれている。歴史学なんだから当たり前だろ、と思うかもしれないが、学界では司馬遷『史記』の呪縛が強く、甲骨文字があまり活用されていないらしい。
また、最近神格化しつつある白川静先生に対する批判も、少し書かれている(というか、それを読みたくて買ってたりする (^_^;;)。
「口」に祭器としての用法があることは重要な発見であったが、全てを呪術で一元的に解釈する方法は、確証を得られない仮説でしかない…。(甲骨文字に歴史をよむ (ちくま新書), pp. 103-104)
そりゃそうだよね (^_^;; 白川静 漢字の世界観 - もろ式: 読書日記参照。