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ユリイカ2009年9月号 特集*アルフォンス・ミュシャ

気になる論文だけ拾い読み:

ユリイカ2009年9月号 特集=アルフォンス・ミュシャ 没後七〇年記念特集

ユリイカ2009年9月号 特集=アルフォンス・ミュシャ 没後七〇年記念特集

おもしろかったのは、柏木博氏の「不可視の無意識を捩れる身体に 官能のミュシャ」でしたな。ポスター画に代表されるミュシャの作品は、一面では、グリッドシステムとよばれる手法によるきっちりとした構成と、草花などをパターン化し繰り返す装飾表現が特徴である。しかし一方で、その中心に描かれるきれいなおねえさんたちは身体をくねらせ、しばしば恍惚の表情をたたえており、それがきちっとした構成に動きを与えるとともに、官能的な雰囲気を醸し出している。実は後者の表現は、霊媒師に霊が降りてきた時の姿勢や表情、あるいは催眠術とかにかかりヒステリー状態に陥った女性の表情や姿勢(ヒステリー・アーチとよばれる海老反りなど…『エクソシスト*1の有名な背面歩きの姿勢ですな (^_^;;)などを連続写真で撮影したものが下敷きになっているという。19世紀末〜20世紀初頭と言えば、日本を含む国々で、オカルトが科学とかなり近いところでブームになっていた時期である。ミュシャもまた自分のアトリエでそういう人を呼んだりしていろいろ知識を集め、そういうものから透けて見える「不可視の無意識」を作品に反映させていたのだという。

ミュシャさん、あなたもそういうのが好きだったのね (^_^;; 何だかぐっと親近感が湧いてきましたな。

あと、文字好きの方には白井敬尚氏の「ミュシャのレタリングとタイポグラフィ」という論文も。これはぱっと見、以前書いた美術論集 アルチンボルドからポップ・アートまで - もろ式: 読書日記あたりの議論に接続するかもしれないけど、まだ読んでないのでノーコメント。

*1:[asin:B002BS02DY:detail]