へうげもの 9服

会議が早めに終わったので(小谷先生、見てますか〜?)、買っておいたマンガを読む。最近は拘束時間が長い仕事が続いていて、家に帰ってもマンガを読む気すら起きない。

へうげもの(9) (モーニングKC)

へうげもの(9) (モーニングKC)

この巻は千利休の賜死がひとつのクライマックスとなっているが、それを描く数ページはひどく胸に迫るものであった。特に、利休の死の直後、見開き2ページを連続で使ったパノラマとでも言うべきシーン。今「パノラマ」と書いたが、あれはカメラのパンとは異なるだろうし、あるいは古田織部の視線の移動ではあるまい。半可通の誹りを恐れずに言えば、あれは世界がページの枠内に入りきらないことを雄弁に語っているのではないだろうか。あれが単なる一枚の絵であったら、あれほどまでに胸に迫ったであろうか、と思う。