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仏教瞑想論

発売以来ずっと注目してきたが、ようやく読めた。一気に読んだ。

仏教瞑想論

仏教瞑想論

個人的には、仏教学(と言っても、たいして読んでるわけではないが)におけるここ数年の最重要本のひとつ。内容的には納得できないところも少なくないが(後述)、「瞑想」(というかサマタ≒心一境性)の伝統が釈尊以来、現代に至るまで連綿と続いているという視点で仏教全体を捉えようとした試みとして評価したい。東アジアの仏教を研究している者としては、天台智顗や日本の法相宗に初期仏教以来の瞑想の伝統が続いていること(後者については仏教瞑想論 - ひじる日々(東京寺男日記) 脱原発!でも「革命的に正しい」と評価されている)を指摘した点は、山部能宜氏の諸業績と並んで、極めて重要だと思う。日々是修行 - もろ式: 読書日記で紹介した佐々木先生の『日々是修行 現代人のための仏教100話 (ちくま新書)』とあわせて課題図書決定。

もっとも不満もいくつかある。例えば瑜伽行唯識派の瞑想方法が全然紹介されていない点(見分・相分とか五位百法とかは出てくるけど)。やっぱり「瞑想論」ならばちょっとでもいいから(例えば『解深密経』分別瑜伽品とかはまんまサマタ・ヴィパッサナーのことが書かれていて、しかもとても短い)触れて欲しかった。あと、蓑輪先生ご専門の戒律と瞑想の関係とか。

うーみゅ、「瞑想論」は先を越されちゃったので、現在取り組んでいる観仏体験(これも本書では、短いけどちゃんと言及されている)を中心に瞑想文化史?みたいなものをまとめたいなぁ。