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N3636部分訳

小形さんがコメントで指摘して下さったN3636について、部分訳してみた。本当はこの後の部分も重要なんだけど、明日がだんだん見えてきたので (^_^;; とりあえずここまで。誤訳があればぜひご指摘を。

  1. 最初に、議長〔Peter Constable〕が検討課題を示し、この会議の運営上の原則について伝達した。すなわち、議論や変更案に対する参照の基準点は、N3583のレパートリーの前提となった、プロジェクト・エディター〔Michel Suignard〕の文書であるN3580とすること、今後の見解の一致した変更についてはN3580に対する変更として記録すること、という2点である。この2点の運営上の原則について了承された。
  2. 議論はまず投票にふさわしいレパートリーを確定することに焦点が絞られた。最終的なレパートリーのコードポジションの割当はN3607での提案された方法に従うこと、そしてアメリカ、ドイツ、アイルランド、プロジェクト・エディタ間のミーティングによって最終的に決定されることが了承された。その結果、この会議で残された課題はN3607で提案された文字名、グリフの変更、文字の追加、N3583で提案された文字のうち議論の余地があるものの位置づけに焦点が絞られることになった。
  3. 本委員会では、N3583中の議論の余地がある文字を3つのクラスに分類した。文化〔依存〕的なアイコン5文字、地域や言語の標識として使われる10文字、そして66文字のEmoji Compatibility characterである。これら81文字に関する議論は、他のすべての課題についての議論が終わった後に先送りされた。
  4. 本委員会では、N3583からN3607に至る間に、かなりのコンセンサスが得られた点が指摘された。〔N3583で提案された〕674文字のうち382文字については、N3607でも実質的な変更は提案されておらず、争点はないと思われる。本委員会では、このクラスの文字については、投票用の文書に盛り込む準備に入ることで合意した。
  5. 本委員会は、N3607で提案されたグリフと名前の変更について、アメリカの専門家から概括的な評価を聞いた。そこでは、提案のうちの一部は良い提案か中立ではあるものの、対象となる文字そのものの変更であるため問題があるものもある、と述べられた。アメリカは、良い・中立であると思われる30文字の名前の変更と、同じく良い・中立と考えられる116文字のグリフの変更を承認することに賛成した。あわせて、決定のコンセンサスがとれている130文字の追加についての賛成も表明された。したがって、本委員会では、これらの文字について、投票用の文書に盛り込む準備に入ることで合意した。
  6. 対象となる文字そのものの変更となるためアメリカの専門家が悪い変更だと評価した残る81文字については、N3583で提案された案の通りに投票用の文書に盛り込む、という原則についてコンセンサスが得られた。その後の議論で、この81文字の中の少数の文字については、文字名やグリフの変更が適当であるとされた。この件については下記参照。
  7. N3607でのグリフや文字名の変更が問題視された81文字については、その多くが動物のシンボルであった。N3583では、実際の利用では特殊な利用がされているにもかかわらず、汎用的な名前が使われていた例があった。例えば、N3583では、TIGER FACE(虎の顔)とでも言うべきシンボルに対してTIGERという名前がつけられている。N3607における変更は、これらの文字名を真に汎用的なものと見なし、それに見合った異なるグリフを提案した。しかしこれでは、実際に利用されている文字からそれとは異なる文字へ変更してしまうことになる。N3583とN3607における動物のシンボルの扱いについては、真に汎用的な動物のシンボルではない使われ方をしている文字の場合、統合しない方向で再検討すべきであることが合意された。また、この件については、アメリカ、ドイツ、アイルランドの専門家によるアドホック・ミーティングにおいて、投票用のドキュメントに追加すべきレパートリーを決定することが了承された。加えて、このレパートリーには、十二星座/十二支やレストランのメニュー(牛肉、豚肉、鶏肉)をカバーするための、汎用的な動物のシンボルを含むことが合意された。
  8. N3607では143文字の追加の提案がなされている(ここには、動物シンボルを統合しないことによる追加を含まない)。このすべてについて検討が行われ、うち132文字についてはWG2ミーティング54中のPDAM〔追補原案の提案〕に追加することを推奨するレパートリーに加えることを提案することが合意された。
  9. EARTH GLOBE(N3583ではU+1F322)は、N3607における名前もしくはグリフの変更に対してアメリカの専門家が問題であるとした81文字のなかの一つである。追加提案を検討する中で、EARTH GLOBEはN3607で追加提案されているEARTH GLOBE ASIA-AUSTRALIAと統合可能ではないかという指摘があった。EARTH GLOBEの文字名は、EARTH GLOBE ASIA-AUSTRALIAに変更となり、N3607でのグリフ(U+1F30D*1)を採用することが合意された。
  10. CACTUS(N3583ではU+1F330)は、N3607における名前もしくはグリフの変更に対してアメリカの専門家が問題であるとした81文字のなかの一つである。追加提案を検討する中で、N3607がサボテンのグリフを二つに分割し、N3607で追加提案した文字こそが、アメリカの提案に適う文字であることが指摘された。その結果、二つ目のサボテンのシンボルは追加しないこととし、CACTUSのグリフを変更することで了承された。
  11. WESTERN PERSON(N3583ではU+1F358)は、N3607における名前もしくはグリフの変更に対してアメリカの専門家が問題であるとした81文字のなかの一つである。N3607では男女それぞれのシンボルを提案しており、その結果すでに提案されている文字〔ブロンドの女性〕の名前の変更に加えて、もう一方の文字〔ブロンドの男性〕の追加も行われている。この追加提案を検討する中で、アメリカの専門家は、この文字が実際の用例において性別の区別なく用いられており、ベンダーによって男性、女性どちらでも表示されうることを明らかにした。その結果、文字の追加はしないこと、すでに提案されている文字についてはWESTERN PERSONという名前を維持し、中性的なイメージのグリフに変更することが合意された。
  12. EXPRESSIONLESS FACE(N3583ではU+1F39D)は、N3607における名前もしくはグリフの変更に対してアメリカの専門家が良い変更だと判断した文字である。追加提案を検討する中でアメリカの専門家によってこの文字の詳細が明らかにされ、追加提案のひとつ、DEADPAN FACE (N3607の1F629)と同一の文字であることが明らかになった。その結果、文字の追加は見送られ、その代わりにN3607でDEADPAN FACEとして追加されることになっていたグリフがEXPRESSIONLESS FACEのグリフとして採用された。
  13. 上の指摘は、先に述べた問題のある文字の3つのクラスを除く*2、Emojiに関する会議中の決議のすべてである。この時点で725文字についてPDAM投票の文書に追加する準備に入るコンセンサスがとれたことになる。ここには、N3583で提案された674文字(意見の一致した名前もしくはグリフの変更を含む)が含まれ、81文字以下の問題のある文字は含まれず、合意のとれた132文字の追加分が含まれる。動物のシンボルを再検討したことによる追加分は含まれていない。
  14. 議論はその後、前述の問題のある文字の3クラスへと移行した。これらの文字は、符号化することが好ましくないという感情が広く共有されているにもかかわらず、日本での用例があるためにインターオペラビリティの面での必要性が一般的に理解されている、というものばかりである。
  15. 問題のある文字のうち最初のクラスは、MOUNT FUJI (U+1F3E1)、TOKYO TOWER (U+1F3E2)、STATUE OF LIBERTY (U+1F3E3)、SKETCH OF JAPAN (U+1F3E4)、MOYAI (U+1F3E5)という文化〔依存〕的なアイコンのシンボル5文字である。本委員会では、PDAM投票の文書に追加することを推奨するレパートリーにこれらの文字を含めるが、以下のように名前を変更する、というコンセンサスが得られた。(表省略。MOUNT FUJI→EMOJI COMPATIBILITY SYMBOL-1という具合。コードポジションは最終的なものではない。)
  16. 問題のある文字のうちの二番目のクラスは、N3583でEmoji Compatibility Symbolsブロックの文字として提案された66文字である。アメリカはこれらの文字の現時点での提案を引き下げた。
  17. 問題ある文字のうち最後のクラスは、N3583ではU+1F401〜U+1F40Aの範囲で提案されている、地域を標示するシンボル10文字のEmojiである。N3607において、ドイツとアイルランドはアルファベット2文字の組み合わせた676のシンボルを代替案として提案した。長い議論の末にも、本アドホック委員会は妥協可能なコンセンサスを得ることができなかった。本委員会では、以下の三つの選択肢が残された。a. 現時点では一切符号化しない。b. 10文字をEMOJI COMPATIBILITY SYMBOL-nに名前を変更した上でPDAM投票の文書に追加するレパートリーに含める。c. アルファベット2文字を組み合わせた676文字すべてを含める。各ナショナルボディがこの3つの選択肢のどれが受け入れ可能かを判断するための模擬投票が行われた(このとき、10のナショナルボディがアドホック委員会に参加していた)。結果は以下の通りである。
    aなら受け入れ可能(現時点では符号化しない): 7票
    bなら受け入れ可能(10文字をPDAM投票に含める): 6票
    cなら受け入れ可能(676文字すべてを含める): 3票
    この投票結果を受けて、本委員会では、WG2ミーティング54におけるPDAM投票の文書に追加することを推奨するレパートリーに、これらの文字を含めないことに決定した。
  18. 本ミーティングのまとめ。結論として、730文字をPDAM投票のための文書に追加することが合意された。この中には、N3583で提案された674文字(意見の一致した名前もしくはグリフの変更を含む)が含まれ、〔富士山など5文字が減ったので〕76文字以下の問題のある文字は含まれず、合意のとれた132文字の追加分が含まれる。動物のシンボルを再検討したことによる追加分は含まれていない。

*1:N3607のU+1F30Dは「EARTH GLOBE WITH MERIDIANS」であり、U+1030F EARTH GLOBE ASIA-AUSTRALIAのグリフと違うけど、いいのかな?

*2:原文はother thenとあるが、other thanの間違い?