闇の摩多羅神

前に『広隆寺来由記』の台密的要素 - もろ式: 読書日記というエントリで、広隆寺の常行三昧堂のことや木嶋坐天照御魂神社の三柱の鳥居についてメモったことがあるが、私よりももっと深くこのネタを追求している本が出ていた。

闇の摩多羅神

闇の摩多羅神

ああ、やっぱり付け焼き刃はいかんなぁ (^_^;; 筆者は韓国で教鞭をとったこともあるらしく、韓国の神様、仏様のネタが充実していて、特に参考になった。

ただ、読んでると気になるところが多い。例えば、古代において秦氏と養蚕、織機との関連は史料上は確認できない、という説(誰の説だっけ)は割と知られていたと思っていたが、そういうのを含めて古代史関係の先行研究への参照がかなり抜けてる感じ(「そもそも聖徳太子の実在を疑う説もありうるのだ」って、大山説はもっと有名かと思っていたけど。「ありうる」→「ある」のタイポかな?)。まあ、摩多羅神がテーマなので、歴史上の秦氏はあまり重要じゃないのかもしれないけど。