集合としてのグリフ

直井さんが「Unicode Technical Standard #37」の改訂案 - Mac OS Xの文字コード問題に関するメモで紹介しているUnicode Technical Standard #37の考え方は、ある抽象文字 character がとり得るグリフの集合*1があったとして、IVSはその真部分集合(サブセット)を指定するためのメカニズムだ、ということである(と思う)。

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どんなに短い線分の中にも無限の点があるように、任意の抽象文字Aがとり得るグリフの集合の中に入る要素は無限に存在するし、IVSで指定されたグリフAの部分集合であるA'にも無限のグリフが存在する。A'はAの真部分集合ではあるが、どちらも無限集合であり、濃度も(多分)同じ。ちなみにAもまた、Aを含むすべての/複数の抽象文字の集合のとり得るグリフの集合(無限集合)の真部分集合。

(書きかけ)

*1:なお、集合論的な文字のモデルを提案した例として[http://ci.nii.ac.jp/naid/40001401180/:title=樺島忠夫「集合としての文字」(『語文』第32輯、大阪大学国文学研究室、1974年)]がある。この論文はグリフではなく抽象文字についての議論なので、集合は有限である。文字を音素などの集合との対応関係で定義しようという試み(対応する音がなければ文字ではない、みたいな)をしており(雑駁な印象はあるが)興味深い。

*2:図のグリフは[http://glyphwiki.org/:title=GlyphWiki]を利用した。