いろいろ頂きました。

ここ数日、いろいろな方から論文等をご恵贈いただきました。ありがとうございます。

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石井公成さんからは、以下の論文、講演録を頂きました。

  • 石井公成「明治期における海外渡航僧の諸相 ―北畠道龍、小泉了諦、織田得能、井上秀天、A・ダルマパーラ―」(『近代仏教』第15号、新しいページへ移動します。、2008年8月)
  • 石井公成「経典を尊んだ禅僧たち」(『浅草寺佛教文化講座』第52集、2008年8月)

前者「明治期における海外渡航僧の諸相」では、特に北畠道龍が気になった。北畠道龍は因明(仏教論理学)を重視し、

明治二十四年刊行の『国体之秩序』では、道龍はヨーロッパにおける論理学を「論則論法」と呼び、その役割を重視しつつも、インドの論理学に比べれば雑なものと評し、ドイツで因明を紹介したら一、二年とどまって講釈してほしいと頼まれたと自慢している。こうした因明重視は、近代中国において楊文会の門下たちが唯識・因明に注目したのと同じである。ヨーロッパの論理学や哲学に対抗しうるものとして、因明や唯識学が再発見されたのである。 (p. 5)

というような人だったらしい。おもしろい。

後者は、石井さん曰く、講演にちりばめたギャグやきわどいネタが全部カットされちゃって残念、とのこと。

これ以外にも、聖徳太子研究を一変させる可能性のある研究発表「三経義疏の語法」のレジュメを頂きました。数年前、『漢字文献情報処理研究』第2号などでわいわい議論しながら開発してきたN-gramやNGSMのパワーが炸裂している。

漢字文献情報処理研究 第2号

漢字文献情報処理研究 第2号

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日本仏教綜合研究学会の会計監査の際、曽根原理先生から以下の論文を頂きました。

  • 曽根原理「増上寺における東照権現信仰」(井上智勝・高埜利彦編『近世の宗教と社会2 国家権力と宗教』、吉川弘文館、2008年7月)

近世の宗教と社会〈2〉国家権力と宗教

近世の宗教と社会〈2〉国家権力と宗教

けっこうぐちゃぐちゃしてるんですなぁ。

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花園大学歴史博物館から、前々回の企画展「宇治人形―知られざる茶の木人形の世界―」の(ようやく完成した)図録を頂きました。

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プロが作ったと見まごうような、すごくきれいな図録です。田中正流さんの解説もグッド。