岡山県新見市の玄賓僧都伝説

原田信之先生よりご恵贈頂きました。ありがとうございます。

  • 原田信之「岡山県新見市の玄賓僧都伝説」(『新見公立短期大学紀要』第28巻、2007)

平安初期の法相宗の高僧である玄賓の研究の一環として、彼が隠棲した現在の新見市に残る伝承を調査したもの。おもしろいです。私も徳一研究の一環として同じようなことをしたかったのだが、京都に住むようになってかなり無理な状況に (^_^;; そういう意味ではうらやましいです。

原田先生と言えば、日本文学の研究者でありながら法相教学に精通し、『今昔物語集』が法相教学の三時教判に基づいた構成になっていることを論証した以下の本が代表作。

今昔物語集南都成立と唯識学

今昔物語集南都成立と唯識学

原田さんは、この三時教判の解釈をめぐって岩田諦静氏と論争をしたりしているのだが、拙稿「慈蘊『法相髄脳』の復原と解釈」の脚注6で原田さんの説に対する賛意を示したところ、なんとそんな小さな記事を見つけて読んでいたらしい(書いてみるもんである)。花園大学の丸山先生の後輩ということもありお会いすることができ、現在ではいっしょの研究会をやってたりする。It's a small world.を感じる今日この頃。