読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

方法論懇話会2008年3月例会

哲学・思想・宗教 歴史

Information: 方法論懇話会 Colloquia on Methodology

現在、自称「活動休止中」の方法論懇話会ですが、Ver. 2.0に向けてゆるゆると動いていたりします。皆様の参加を歓迎します。おかげさまで無事(って言い方も変だな)終了しました。

場所

花園大学・対雲館104教室

日時

3月30日(日)13:00〜17:30

プログラム:

  • 13:00〜14:00 東城義則「絶滅と発見のキュビズムニホンオオカミをめぐる言説空間―不在を対象化する、不在を語り紡ぐ―(仮)
  • 14:00〜14:10 休憩
  • 14:10〜14:50 東城報告についての討論
  • 14:50〜15:00 休憩
  • 15:00〜16:30 書籍の紹介と書評(各30分)
    • 稲城正己「アントワーヌ・コンパニョン『文学をめぐる理論と常識』の紹介」
    • 北條勝貴「〈亡霊とエクリチュール〉をめぐる方法と討論」
    • 師茂樹「「人格」はどこにあるのか」
  • 16:30〜16:40 休憩
  • 16:40〜17:30 全体討論
  • 18:00〜 懇親会

私以外の報告はいずれも興味深かったが、ここに書くのはまたいずれ。私の(ゆるい)報告は、デレク・パーフィット『理由と人格』の紹介。

理由と人格―非人格性の倫理へ

理由と人格―非人格性の倫理へ

この本は「英米の哲学界では二〇世紀末の最も重要な哲学書の一つと目されている」らしい。永井均氏や森岡正博氏の著作に時々出てきたりする。以前、この研究会の機関誌で、再帰的な書き換え系としての記憶=「わたし」について短文を書いたことがあるが(師茂樹「記憶を書き出す―総括にかえて」、『GYRATIVA』4, pp. 64-71, 2007)、この本を読むのは言わばその延長戦であり、ついでに言えば最近やってる一般キャラクター論にも関連する。

興味深いのは、このパーフィットが、自分の主張する所謂「還元主義」的人格観(「ある人物の時間を通じた同一性は、もっと細かい (particular) ある事実が妥当するということだけからなる」)が歴史的、地域的一般性を持つことを主張するために、『ミリンダ王の問い』や『倶舎論』を引いて「ブッダならば同意しただろう」と述べている点である。これについては、欧米の仏教研究者が何人か反応している:

Selfless Persons: Imagery and Thought in Theravada Buddhism

Selfless Persons: Imagery and Thought in Theravada Buddhism

  • Matthew Kapstein. “Collins, Parfit, and the Problem of Personal Identity in Two Philosophical Traditions.” Philosophy East and West, Vol. 36, No. 3, 1986.
  • Tom J. F. Tillemans. “What Would it be Like to be Selfless? Hīnayānist Versions, Mahāyānist Versions and Derek Parfit.” The Numata Yehan Lecture in Buddhism 1995. University of Calgary, 1995. Etudes Asiatiques / Asiatische Studien L, 4, 1996.
  • Steven Collins. “A Buddhist Debate About the Self; and Remarks on Buddhism in the Work of Derek Parfit and Galen Strawson.” Journal of Indian Philosophy, Vol. 25, No. 5, 1997.
  • Mark Siderits. “Buddhist reductionism.” Philosophy East and West, Vol. 47, No. 4, 1997.
  • Roger Farrington. “A Review Essay of Personal Identity and Buddhist Philosophy: Empty Persons.Journal of Buddhist Ethics, Vol. 11, 2004.
  • H-Net Review: David Burton on Personal Identity and Buddhist Philosophy: Empty Persons. July 2007.