中世京都の被差別民空間 ―清水坂と鳥部野―

花園大学人権教育研究センターの定例研究会に初めて参加する。お題は山田邦和先生の「中世京都の被差別民空間 ―清水坂と鳥部野―」である。実はこのネタは、最近興味を持って調べているネタ(先日ちょこっと書いた中世における僧兵*1や武芸者の発生とその宗教的背景)とは切り離すことができないものであり、静岡でやった京都学講座の席でも最後に少しだけふれた。ハンセン氏病患者のコミュニティにおける安倍晴明信仰や目疾地蔵仲源寺の禹王廟の話、そして近代における被差別民コミュニティの破壊など、知らない話がたくさんあってたいへん勉強になった。

質問コーナーでは、初めての参加なのにでしゃばって、中世の非人に関する網野史観に対する歴史学界の評価とか、いろいろうかがう。史観やモデルをベースにした外からの評価だけではなく、関根康正氏の『ケガレの人類学―南インド・ハリジャンの生活世界』*2的な、当時の人々の価値観、視点を復元することは可能か、みたいな問題意識がコメントの端々にみられたのは共感できるというか、勉強になる。

一度このあたりはフィールドワークをしなくてはならないなぁ。観光シーズンは嫌だが (^_^;)

*1:id:moroshigeki:20071124:1195908597

*2:[asin:4130501305:detail]