人類は衰退しました(([asin:409451001X:detail]))

体調はあまり芳しくなく。とは言え身過ぎ世過ぎの草の種のため、バスなどで移動する間に、この本をさくっと読み終わる。さすがラノベ。読み始め、主人公は男子だと思いこんでおり、表紙の女の子が実は主人公だとはわからなかった。梗概として、

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の“調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なことだろうとこの職を選んだわたし。さっそく妖精さんたちのもとへ挨拶に出向いたのですが……。

というのがあるが、この「わたし」という部分で女子であることを読み取らなければならないのだろうか。ちょっと失敗しました、すいません。

ところで、小説としてはなかなかおもしろかった。あらすじとしては“調停官”の「わたし」が「妖精さん」たちとドタバタするだけなのだが、「わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀」の部分で『幼年期の終わり*1(おお、新訳が出たのか)のラスト、進化を見守る(進化できない)人類の諦観を脳内補完、妖精さんに関する研究史については(残念ながら情報が途絶えた、という設定になっているが)『ソラリス*2ソラリス学史の部分を脳内補完して、勝手に楽しんでいた。妖精さんは、ヒトの模倣をするなど、ソラリスの海に似ている(見た目は違うけど)。ソラリスみたいに放射線とかを妖精さんに浴びせるわけにはいかないだろうが。

続編がでるのかはわからないが、是非この路線でお願いしたい(なんて勝手な)。

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