高校訪問の夏

我が花園大学も受験生獲得のため、教員が分担して高校回りをしている。今回、私が担当することになったのは大阪府立渋谷高等学校(「しぶや」ではなく「しぶたに」)と大阪府立泉南高等学校である。前者が池田市、後者が泉南市(和歌山県が目の前)ということで、どちらも京都の大学へは通いづらい地域である。ちなみに今回、私にとって初めての高校訪問である。

この2校が訪問の対象になったのは過去何年かに本学への入学者がいたことによるのだが、『小さな会社・儲けのルール』*1みたいな本を読むと、「小さな会社」は営業戦線を拡大する前にまず狭い地域・分野の「一番」を目指すべきであって、今回のようなこういう営業の仕方はあまり適切ではないということになる。なぜ一番を目指すかというと、一番と二番以下の差が大きい(一番が一人勝ちになる可能性が高い)からである。泉南高校の進路指導の先生によると、桃山学院大学和泉市)は大阪府南部の高校すべてに指定校枠を設けたそうで、これはある意味、地域の一番を目指す取り組みと言えるだろう。進学にあまり熱心ではない高校生は、受験雑誌などを自主的に見るわけでもないので、指定校推薦の書類の掲示によって初めてその大学の存在を認知するということがあるらしい。そういう意味では、指定校枠というのはコストがかからないプッシュ型の広告ということなんだろう。

本学で言えば、何かの資格(社会福祉士はライバルが多いから精神保健福祉士とか?)の合格率が京都の大学で1番とか、博物館学芸員の取得率が京都で1番とかを目指しつつ、京都への通学に便利なJR京都線琵琶湖線湖西線などを重点的に高校訪問したり、指定校推薦枠に指定するとかするのが、それに該当するかもしれない。GISとか使えば、いろいろと分析したり視覚化したりできそうだ。

それはともかく、今回の高校訪問はいろいろ勉強になることが大きかった。大阪を中心とした(多分に鉄道網に規定された)人の流れや、地域性(だんじり祭りのある地域の人は、祭りの日に休めるかどうかで就職先を決める等々。都市伝説のような気もするが (^_^;;)など、知らないことがいっぱいあったし、少数ながら他大学や他の高校の話も聞くことができた。何より、行ったことがない地域を仕事で堂々と散歩できるというのは、愉快な経験である。フィールドワークが好きなのかもしれない。

*1:[asin:489451138X:detail]