コピー用紙の裏は使うな!

コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実 (朝日新書 37)

コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実 (朝日新書 37)

わが勤め先である花大も、昨今の厳しい状況を受けて、コスト削減に取り組んでいる。私も昨年度から情報システムセンター長なる肩書きを賜り(押し付けられ? (^_^;;)、大学の持続的な発展を模索していたりする。404 Blog Not Found:書評 - コピー用紙の裏は使うな!でこの本の存在を知り、早速購入。

で、本書の冒頭に挙げられている「間違ったコスト削減のリスト」。

  • コスト削減に最も効果があるのは人件費削減=人減らしだ。
  • ミスコピーの裏紙を再利用するとコスト削減になる。
  • 事務用品をカタログで一括注文すると事務用品費が下がる。
  • 蛍光灯を交互や片側間引くとコストが下がる。
  • 「クールビズ」のキャンペーンをすれば、夏場の電気代が削減できる。
  • 現場が暗くなるので、コスト削減はやりたくない。

まさにタイミングがよいというか悪いというか、本学もクールビズを採用したばかりである (^_^;; ダメじゃん。コスト削減をするように言うと「今バタバタしてますから」「忙しい時期なので手が回らない」なんてのが社員の口から出てくる病気があるらしいが、これも本学が罹っている病気の一つだな。

コスト削減は純利益をもたらすクリエイティブな行為であり、その肝は「見える化」(経営やコストを全社員に知ってもらうこと)と、それをした上で「徹底的に現場に任せる」ということ。エアコンの温度調整のところに「28度にすること」とか書くだけでは、誰もそれを守るわけがない。しかし、大学のどこかに大型モニタでもおいて、また教職員のパソコンには専用のアプリケーションをインストールして、去年と今年の電力使用量の比較、エアコンの温度を上げることで何円浮いたか(余計にかかったか)をリアルタイムで表示し、学生一人当たり1000円の削減が達成されるごとに学費をその分下げる(教職員の給料をあげる)、とかやれば、確実に設定温度は上がるだろう。それどころか、エアコン以外の無駄な電気もバシバシ消し始めるに違いない。…というのが、本書の内容を本学に適用したらどうなるか?のいい加減なシミュレーションである。もちろん、そんなことはやってない (^_^;;

あと、公共料金のコスト削減方法についても書いてあったけど、これもうちではやってるのかね?という疑問が当然出てきたりする。ボーナス下げたりするんだから、当然それくらいのことはやってるんだろうな。今度、組合の団交があるので、ちょいと聞いてみよう。

っつーことで、なかなかよい本であった。