クリプキ ことばは意味をもてるか

シリーズ・哲学のエッセンスなので薄い本である。この手の本でクリプキは珍しいなぁ〜とか思いながら手に取ってみると、『名指しと必然性』*1とかではなく、『ウィトゲンシュタインパラドックス*2の解説を一冊まるまる使ってしていたので、これは珍しい、おもしろそうだと思って買って読む。さくっと読める。

今年の大学院の授業では(なぜか)西田哲学に関する論文を読んでいるのだが、西田哲学には「弁証法的一般者」みたいな論理や言語を成立させている「場所」(もちろん一般的な意味での場所ではない)とか「述語になって主語にならないもの」(名指せないもの)みたいな議論があるので、さっそくこの本の中で紹介されている思考実験を紹介しつつ、院生を混乱させては遊んでいる (^_^;; っつーか、もうちょっとメタな議論に慣れた方がいいと思うぞ>院生諸君

*1:

名指しと必然性―様相の形而上学と心身問題

名指しと必然性―様相の形而上学と心身問題

*2:

ウィトゲンシュタインのパラドックス―規則・私的言語・他人の心

ウィトゲンシュタインのパラドックス―規則・私的言語・他人の心