もやしもん

大学漫画を読む (内田樹の研究室)で、

(...)『もやしもん』を読むと、日本の若い人たちの中には「めちゃくちゃ怪しい人たちばかりが跳梁跋扈している大学」というものにそれなりの夢を抱いている方がたがそれなりの数いることが知れる。(...)
今大学教育を語る人は、国際競争力とかグローバル資本主義向きの人材育成とか産学地連携による地場産業の浮揚とかいうビジネス・オリエンテッドな話しかしない。
だが、「大学漫画」は日本の若者がいま大学に求めている「夢」を表象したものである。
もし、真にビジネス・マインデッドな大学人であれば、まず『もやしもん』と『のだめ』を熟読玩味するところからマーケットリサーチを開始するであろう。

と書いてあったので、さっそく『もやしもん*1を買って読む。最近、ジャンルとして確固とした地位を築いているような気がする「普段あまり接することのない業界の変な日常」マンガとして、大変おもしろく読む。田舎出身+東京の大学を出た人+大学業界人として、細かいところを言うときりがない(学生のことを「生徒」と呼ぶのはすごく気になる)が、大きな瑕疵はなし。主人公の青年の周りには美形のお姉ちゃんたちが集まるのが世の常なのである。続きが楽しみである。

私が大学生だった頃(ちなみに90年代)は、入学式に新右翼街宣車が来て三角ポール(工事現場によくあるやつ)をぼんぼん投げ入れており、よくわからないがとにかく何かを妨害しているのを、自治会(革マル派)がシュプレヒコールして抵抗?していたり、期末テストは2年に1回のペースでストライキに突入していたので、明らかに雀荘への出席率の方が高かった私でも4年で卒業することができた。キャンパス内のあちこちには、明らかに大学当局がタッチしていない(できない)施設(ビル、プレハブ、テント、スーパーハウス、ステージみたいなもの)が多数あったし、学園祭には、これまた明らかに一般人と目つきや体格が違う私服警官がたくさんやってきて、我々の活動を監視していた(繰り返すが、90年代の話)。

しかしながら、こういう怪しい空間も、大学当局によるキャンパス整備などによって消滅してしまった。かつては「怪しい人たち」が有象無象あわせれば恐らく何億という金を動かしていたのだが、それはいろいろな大人のルールで“黒い金”と見なされ、すっかりなくなってしまった(その代わりに大学は、学生ベンチャーを推奨し、それを宣伝したりしている)。

(書きかけ)

*1:

もやしもん(1) (イブニングKC)

もやしもん(1) (イブニングKC)

もやしもん(2) (イブニングKC)

もやしもん(2) (イブニングKC)

もやしもん(3) (イブニングKC)

もやしもん(3) (イブニングKC)

もやしもん(4) (イブニングKC)

もやしもん(4) (イブニングKC)