〈墓地の無縁化〉をめぐる構想力

土居浩「〈墓地の無縁化〉をめぐる構想力―掃苔道・霊園行政・柳田民俗学の場合」(『比較日本文化研究』10、2006年10月)を、ご恵贈頂く。感謝感激。

合宿中に頂いたこともあって、布団にねっころがりながら皆で読んだのだが、こんなことはまったく知らなかったこともあって新鮮さを感じるとともに、いろいろなことを考えさせられた。最後の部分で、

〈墓地の無縁化〉をめぐる言説は、このままだと将来的に国土が墓地で埋め尽くされる可能性を懸念する具体的な土地問題であるとともに、死者についての記憶の問題である。つまり、いかにして対処すべきかとの将来の展望と、いかにして無縁化に至ったのかとの過去の来歴と、その両者についての構想を含み込んで言説化されるのである。それは柳田の同時代に限らず、おそらくはわれわれの同時代でも同様なのである。

と述べられているが、これは土居さんの研究の行く先を示しているようで興味深い(と煽ってみる (^_^;;)。

最近の観光ブームで記念碑を建てたりお墓を「発見」したりしている京都のことを考える上でも参考になるだろうな。