大学行政管理学会!

大学行政管理学会 3日目 - ココロマナビの大学職員日記大学行政管理学会なる学会を知る。ブログでおもしろそうな発表があったので、大学によったついでに2006年度の総会の予稿集を見せてもらったら、読みたいと思っていた「大学eラーニング戦略論」以上に目を引かれる発表タイトルが見られた。

例えば、澤谷敏行(関西学院大学 言語教育研究センター次長)「大学職員人事−失敗事例から学ぶ人材育成(事例研究)」。失敗事例としては、「責任は俺がとる・・・」「このごろの新人は・・・」「自分で考えよ、とまた叱る」「涙する職員」「人事考課における昇任・昇格の推薦」「管理職失格?」「人事異動の泣き笑い」「真面目な職員ほど悩みが多い」「パート職員の活用術」ほか、だそうである。うーむ、気になる。

尾崎雅尚(立命館大学 人文社会リサーチオフィス課長補佐)「研究業績と若手研究者雇用との「相関」分析−人文社会系における若手研究者雇用を促進する制度構築を目指して−」も、気になる発表である。立命館大学科研費の採択数で旧帝大に大きく負けているのはなぜだろう?という問題意識から出発し、

  • 研究業績は「(研究者の質)×(研究者数)×(研究時間)」によって決まるが、職員が最も関与できるのは研究者数である。
  • しかし、立命館大学は旧帝大と常勤教員数に大差ない。ということは、ポスドクの差が科研費採択数の差としてでてるんじゃないか。
  • ポスドクを増やせば、常勤教員に助手やポスドクを加えたプロジェクト型の研究が強化されるだろうから、人文系の研究力もアップするのではないか。

みたいな流れで、実際にはアンケート調査をしたみたいである(結果は予稿には書いてなかった)。確かにチームプレーによるプロジェクト型の研究が足りない、というか、そんなものがあるということすら知らない人文系の先生は多いような気がするので、一定の意味はあると思うけど。でもこれって、要するに文科省の政策に乗ってるだけで、本当に文科省のやり方がハッピーな結果をもたらすのか?という根本的な問いを回避しているわけだし、あとポスドクの人たちの「その後」についてヴィジョンがないように見えるし。いろんな意味で怖いテーマである。

雑用は減らしてもらえないですか、そうですか(涙)。