テレビゲーム文化論―インタラクティブ・メディアのゆくえ (講談社現代新書)
- 作者: 桝山寛
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/10
- メディア: 新書
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インタラクティヴ読書ノート別館の別館 - ゲームと公共性に「なかなかの好著」とあったので読んでみた。確かにそのとおりだと思う。このような本が所謂アカデミズムの外の人によって書かれるということに、大学教員としては若干の危機感をおぼえたりする*1。
本書で述べられていることで重要な点は、コミュニケーションとかインタラクションとかに、相手が人間である必要は必ずしもないということが、ゲームの登場で明らかになっちゃったということではないかと思う。筆者ははっきりとそんなことは書いていないが、私はそういう風に読んでしまった。相手が人間らしく思える、すなわちインタラクションが成立するための要素は、本書で述べられているように映像であったりバグであったり身体であったりと時代によって変化するわけだが、そういう要素がある程度揃ったら、あとは脳内で相手を作り出してしまう*2。人間らしさというのは、脳内で作り出されるものであって、相手の属性ではない。
細かいことを言えば、アフォーダンスってそんな風に使うんだっけ?とか、ゲームは「日本向けのままヒットしている」わけではないんじゃないか?とか*3、オープンソースを動かしているのは Just for Fun だというような単純な図式化は色々なことを見えなくしてるんじゃないか?とか、いろいろつっこみたくなる点もあるんだが、この本からゲームについて考えてみることはおもしろい結果を生みそうな気がする。