オープンキャンパスで伝えたいこと

8月4〜6日、体温を超える気温の中、恒例のオープンキャンパスが行われた。大学の危機が叫ばれる昨今、オープンキャンパスの重要性は今更言うまでもないが、それとは別に個人的には、将来学生になってくれるかもしれない受験生さんに花大の「よさ」を見てもらえる機会として、けっこう楽しみな行事だったりする。

「花大のよさ」は人それぞれいろいろあると思うが、私は教職員・学生のあいだの距離の近さ、言い換えればズルズルした関係だと思っている。今回は、学長老師のアイデアでおそろいのTシャツが用意され、学生だけでなくほとんどの教職員も着ていたため、高校の学園祭のようなズルズル感がますますアップしていた (^_^;;

実は私が「花大のよさ」を強く実感したのは、ある年、オープンキャンパスに来た高校生にこのズルズル感を指摘され、しみじみと「いい学校ですね」と言われたときである。その高校生は、色々な大学のオープンキャンパスをめぐってきたが、こんな大学は今まで見たことがない、みたいなことを言う。それを聞いてオープンキャンパスの会場を見渡すと、教員と在学生が、「先生、おれに花大の経営権をくださいよ」なんて話をニコニコしながらおしゃべりしているのがたくさん目に入ってきて、なるほど、と思ったのである。

確かに、受験生向けのパンフレットでは、京都のど真ん中!とか、福祉の老舗!とか、いろいろなことがアピールできる。でもこれは、パンフには書けない。オープンキャンパスに来てもらって、実際に見てもらうしかない。こんなことを売りにしてどうするんだ、もっと大学らしいものをアピールせねば、というご批判もあるかもしれないが、中世ヨーロッパの大学なんて要するに人の集まりのことでキャンパスなんてなかったわけだから、人に会ってもらうことこそ大学紹介の本質なのではないかと思ったりもするのである(屁理屈)。