FDフォーラム (1)

大学コンソーシアム京都のFDフォーラムに行ってきた。これからの大学のあり方についていろいろ考える機会、情報収集の機会を持ちたいというのもあったし(これからしばらくこの業界にお世話になるしねー)、新米教員としてもっと教育のスキルアップをしたいと思っていたこともある。 最初は、猪口邦子さんの基調講演。はっきり言ってあまり期待していなかったのだが、予想以上におもしろい内容だった。 曰く、これからの時代、認識形成力と表現力(=国語力、外国語力)が必要である。現在、概念化されていない問題を概念化し、社会に対して表現することが研究の目的であり、大学教育の眼目である。表現力の涵養のためには、何よりも手本となるような文章を声に出して暗唱するのが一番の近道である。概念化されていない問題を概念化するためには、自分の経験世界を超えた世界について思考し、想像する能力が必要であり、そのためには読書、そして体系的・抽象的な思考をさせるような講義が必要である。学生に読書をさせるためには、それを助けるようなシラバスや図書館の工夫が必要。体系的・抽象的な思考のための講義には、教員が研究の最先端を知っていることが重要(その意味で良い研究者=良い教育者ということはある程度言える)。FDのためには、何よりもまず、一回一回の講義を最良にすることである。云々。 これって、特に問題を見つけろーとかコミュニケーションだよーとかは、実はいろんなところ(就職活動のマニュアルなんかですら)で言われていることなんだけど、猪口さんのしゃべりは非常にスマートで妙に説得力があった。これはやっぱり、内容もあるけど、オーラだろうな。よーし、4月からがんばろー。 次はシンポジウム「誰のための評価?」。猪口さんほどインパクトはなかったが、まあそこそこためになった。現状をやはり正確に分析している人はしてますね。朝日新聞の清水さんがやたら「特色GPは、政府による大学の管理が目的だ!」みたいなことを繰り返してたのが、らしかったな (^_^;;